筆圧に特化した書道学習支援システム向け毛筆デバイスの開発
Project/Area Number |
23K02726
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
小林 康浩 小山工業高等専門学校, 電気電子創造工学科, 教授 (40580858)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 書道 / 学習支援システム / 毛筆デバイス / 筆圧 / 圧力分布測定 |
Outline of Research at the Start |
本研究の主要な測定対象は、毛筆の筆圧である。毛筆で文字を書く際に加わる筆圧の用紙上の分布を測定する。本研究における筆圧測定は、用紙上に文字を書いた際の位置情報と筆圧を連動させることを想定している。 R5年度は体圧分布測定器や圧力測定フィルムを用いて筆圧の測定を行う。 R6年度は毛筆デバイスの試作を行う。毛筆デバイス(試作段階)では筆圧を測定できるようにする。毛筆デバイスを用いた筆圧測定では、筆先に取り付けた曲げセンサーを用いる。 R7年度は毛筆デバイスの完成を目指す。筆運びや筆の姿勢のデータも必要になることを想定して、段階的に加速度センサー・ジャイロセンサーを付加する予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
R5年度の予定は体圧分布測定器や圧力測定フィルムを用いて筆圧の測定を行うことであった。面圧分布測定器について、測定方式やセンサー種類、測定用途などを比較した結果、ニッタ株式会社プレリアi(https://www.nitta.co.jp/product/sensor/)を導入することとした。この測定器で用いるセンサーシートは2枚のフレキシブル基板が合わさったような構造となっており、それぞれのシートに縦方向と横方向の配線が等間隔で配置されている。縦配線と横配線が交わる部分が圧力感知部となり接触の強さで圧力を測定している。このセンサーシートは用途によりサイズや圧力検知密度(分解能)、最大測定圧力の異なったものが用意されている。今回の研究で使用するのは、書道に適していると考えられる以下の2種類のシートであるが、測定面積や解像度には一長一短あり、用途により使い分ける必要があると考えている。 ・感圧部サイズ(238mm×238mm)、分解能(5.41mm)、最大測定圧力(80kPa) ・感圧部サイズ(480mm×440mm)、分解能(10mm)、最大測定圧力(20kPa) また、測定機器に付属するソフトウェアに関しても課題があり、各点での測定値が圧力単位で出てこないため、測定後に換算する必要がある。圧力値を換算するためには、センサーシートからの生データおよびセンサー感度との関係性を把握する必要があった。したがって、実際の筆圧を測定するためには、このあたりの圧力測定方法に関するノウハウを蓄積する必要があった。 測定試験を繰り返し行いながら、センサシートおよび測定ソフトウェアに関する特性を把握することでようやく筆圧の測定手法を確立することができた。 以上の圧力分布測定器に関する測定方法の確立についての取り組みについては、「書道教育のための筆圧分布測定環境構築の検討」として発表を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R5年度の予定は体圧分布測定器や圧力測定フィルムを用いて筆圧の測定を行うことであった。当初計画よりも、筆圧測定のための測定器の選定および導入、そしてその測定器を用いて筆圧を測定するための方法を確立するのに時間を要した。経緯については以下に報告する。 まずは、測定器の導入に関することである。まず、一番目の測定手法としていた圧力測定フィルムの導入を検討し、調査をおこなった。しかしながら、製品サンプルも取り寄せて実際に試してみたところ、今回の毛筆による筆圧がフィルムで測定出来る圧力範囲に比べてとても低く、測定が非常に難しいことがわかった。したがって、当初予定していた圧力測定フィルムによる測定は実施しないこととした。次に二番目の測定方法としていた面圧分布測定器についても調査をおこなった。類似製品の中から、測定方式やセンサー種類、測定用途などを比較した結果、ニッタ株式会社プレリアi(https://www.nitta.co.jp/product/sensor/)という測定器を導入することとした。 次に筆圧測定の手法確立に関する経緯であるが、今回測定器に使用する2種類のセンサーシートにおいても、測定面積や解像度には一長一短あり、用途により使い分ける必要があると考えている。また、測定機器に付属するソフトウェアに関しても課題があり、各点での測定値が圧力単位で出てこないため、測定後に換算する必要がある。圧力値を換算するためには、センサーシートからの生データおよびセンサー感度との関係性を把握する必要があった。したがって、実際の筆圧を測定するためには、このあたりの圧力測定方法に関するノウハウを蓄積する必要があった。 試行的な筆圧測定しかできておらずサンプル数が十分ではないため、筆圧の大きさおよび分布傾向を把握するまでには至っていないが、おおむね計画通りに進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度では、導入した面圧分布測定器により筆圧測定を測定するための準備が整った。試行的な筆圧測定しかできておらずサンプル数が十分ではないため、筆圧の大きさおよび分布傾向を把握するまでには至っていないが、おおむね計画通りに進んでいると考えている。 R5年度の進捗を踏まえて、今後の研究の予定を以下のようにする。 R6年度は毛筆デバイスの試作を行う。 当初計画では、筆圧を測定するために曲げセンサを用いたデバイス開発を優先していたが、場合によってはR7年度に予定している加速度センサー・ジャイロセンサーを先行して実装することも考える。 毛筆デバイス(試作段階)では筆圧を測定できるようにする。毛筆デバイスを用いた筆圧測定では、筆先に取り付けた曲げセンサーを用いる。曲げセンサーは、曲がり具合によって抵抗値が変化する。この原理を用いて、筆圧を測定することを検討する。曲げセンサーから得られる抵抗値から筆圧を求めるためには、抵抗値-筆圧の相関関係が必要となる。そのために、既存の圧力分布測定装置と毛筆デバイスを同時に使用して、数種類の文字を筆記してもらいサンプルデータを収集する予定である。 R7年度は毛筆デバイスの完成を目指す。毛筆デバイス(試作段階)は曲げセンサーのみの実装であるが、将来的に筆運びや筆の姿勢のデータも必要になることを想定して、段階的に加速度センサー・ジャイロセンサーを付加する予定である。完成した毛筆デバイスを用いて、毛筆のしなりから筆圧が精度良く測定できているのか、筆圧を真似ることによって上達が見られるのか、の評価を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)