Project/Area Number |
23K02785
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
西沢 徹 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (80414382)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | アブラナ類 / 菜の花 / 生物教材 / 理科教育 / 生物教育 / DNAマーカー / 理科教員養成 / 生き物調べ / アブラナ |
Outline of Research at the Start |
先行研究を発展させる形で,地域の学校と大学が協働で取り組む「菜の花しらべ」の実現に向けた課題を解決する。アブラナ類の自然群落を対象に,遺伝的および形態レベルでの多様性を明らかにする。試験的な野外調査と試料の収集に子どもたちも参画することによって,子どもたちの関心と探究意欲を喚起する調査項目と適切な手法を検証し,地域の学校や子どもたち(野外調査の担い手)と大学(DNAによる種の鑑別)との連携体制を確認する。身近な植物を題材として,子どもたちが主体となる生き物調べの新たなテーマを開拓し,アブラナ類に教材としての新たな価値を付加することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,地域の学校と大学が協働して取り組むことができる「菜の花しらべ」の実現に向けて,自然群落を構成する個体の遺伝的多様性と外部形態の変異の実態を明らかにし,観察の主体となる子どもたちの目線に立った,適切な調査項目と調査手法について検証することを目的としている。学校教育における幅広い校種で,古くから教材の一つとして活用されているアブラナ類に「多様性と共通性の両面から自然の対象を捉える題材」として新たな価値を求め,その活用法を開拓する。到達点として,子どもたちが主体的に参加することができる生き物調べの新たなモデルケースを提示するとともに,共通する特徴を有しながらも多様性を見いだすことができる観察対象としての活用法を開発する。 2023年度は,分子基盤による自然群落の多様性解析を始動させる年度と位置付け,次の二つの内容を重点実施項目として計画していた。一つは,自然群落の遺伝的多様性の実態調査であり,これは先行研究によって開発した,核及び葉緑体DNAマーカーを用いて既存の収集試料を分析し,自然群落における遺伝的多様性の実態調査に着手するものである。この過程では,自然群落の解析に適したマーカーを少数に絞り込む分析も実施する。二つ目は,近県地域からの検定用試料の追加採集で,これまでの調査で試料が得られていない近隣地域(福井県内奥越,滋賀県,岐阜県等)を対象とした試料収集が目的である。2023年度は,福井県の嶺北・奥越地方から集中的に試料採集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は,コロナ禍における移動制限が基本的に解除されたことを受け,野外からの試料採集を予定通り実施した。今年度は特に,福井県の嶺北・奥越地方から集中的に試料採集を行う方針とし,大野市,勝山市,及び永平寺町の九頭竜川河川敷から試料採集を行った。これらの試料の一部からゲノムDNAを精製し,先行研究等で汎用性を確認している既存のDNAマーカーで遺伝的多様性に関する予備的解析を実施した。その結果,勝山市周辺で採取したカラシナ集団から,先行研究等では見出されていない遺伝的タイプの存在が示唆されたことから,次年度以降,引き続き分析を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2025年度に集中実施を計画している外部形態の再評価に対応できるように,今年度以降もさく葉(押し葉)標本の形で,植物体全体の外部形態情報が得られる試料の収集を継続する。2023年度の予備的解析から,これまでの進捗過程では見出されていなかった遺伝的タイプの存在が示唆されたことから,奥越地方の試料採集と遺伝的多様性の分析については,今後も重点的に進めていく予定である。 また,今年度以降は,研究実施計画に従い,附属学園等の協力を仰ぎながら,子どもたちの目線からの生き物調べとしての実効性の観点を重視し,DNAマーカーによる種判別の有効性について検討を進めるものとする。この過程では,これまでに試料収集が実現していない北陸地方各地からの試料採集と,既存マーカーの有用性の検証についても,併せて取り組むものとする。
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