Project/Area Number |
23K02828
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
安藤 敏彦 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (00212671)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 高齢者認知症者介護支援 / パンデミック / 弱いロボット / 介護非専門家の参加 / モーションキャプチャ / 状態遷移モデルによる行動分析 / 認知症高齢者介護者支援 / 介護支援のための遠隔交流システム / 工学教育 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、認知症高齢者の介護者の負担低減のため、COVID-19などのパンデミック下で面会禁止が取られる場合でも介護施設に居住する認知症高齢者の社会的コミュニケーションを担保できるよう、介護の専門家以外の外部の者が施設外からでも介護に関われる映像やロボットを利用した遠隔交流システムを開発することで、介護者の負担を低減できることを検証する。さらに、交流システムの開発を工学系学生の課題解決型学習として教材化することで、介護の専門外の学生など青年層の介護現場への参入を企図し、新しい介護コミュニティの創出を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
高齢者介護施設がパンデミック下で外部の者の訪問が禁じられ、高齢者の社会的な交流が希薄になった状況では、認知症を抱えている高齢者自身の症状が進むだけでなく、施設に勤務する介護専門家の負担も大きくなる.本研究は、介護専門家の心理的負担を軽減させるため、パンデミック下でも高齢者を孤立させないように、外部の非専門家を介護現場に参加させるための仕組みを考案することが目的である。 当該年度では、高齢者と接するアバタあるいはロボットなどのユーザインタフェースを遠隔からモーションキャプチャで操作することを見込み、モーションデータの獲得に関する基礎的な手法の検討と、これまで行ってきた弱いロボットと高齢者、介護者三者の間の動作解析を引き続き継続して行った。 ユーザインタフェースには高齢者に外部者からの働きかけが分かるよう、映像などで外部者の容姿が反映されるようにし、その上で、アバタであれば頭部や腕を動かしたり、ロボットであれば手を伸ばしたり、直接高齢者の手を握ったりするなどの動きを実装する予定である。今回検討したのは、Microsoft Azure Kinect センサーを用いる手法およびビデオカメラを用いる手法で、複数台のセンサーやカメラを用いる関節座標取得のふらつきの少ない手法について調査した。現状では、複数台の機器の間での座標系の統一の段階で齟齬があり、修正を行っている。 一方、弱いロボットと高齢者、介護者三者の間の相互作用を状態遷移モデルを用いて分析し、高齢者の行動を促すロボットの動作を概ね可視化することができた。この結果をロボット開発のPDCAサイクルに適用することで、見通しの良いロボットの開発が行えることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症に移行され、高齢者デイケア施設でのロボットの試演が可能になることを期待したが、新型コロナウイルスの感染自体が収束したわけではなく、インフルエンザなど他の感染症の感染もあり、外部者のデイケア施設への入場は断られていた。当初は, 研究グループで行なっていた弱いロボットの試演をデイケア施設を行いながら、そのロボットを本研究で用いるユーザインタフェースに発展させる予定であったので, 計画の変更を余儀なくされた。その代わりとして、デイケア施設ではなく、個人を対象にした試演の詳細な行動分析を主に行い、それとともに外部者が高齢者と関わるためのモーションキャプチャを先行して行うこととなった。幸い、個人対象の試演の行動分析によって、高齢者の行動を促すロボットの行動が可視化され、それをユーザインタフェースの開発に活用したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も高齢者デイケア施設への入場が制限される可能性が高いので、ロボットなどのユーザインタフェースの開発を優先して推進する。パンデミック下で外部から隔離された状況で利用される高齢者への外部からの関わり方を、これまでの動作分析の結果を活用し、機能を決定する。これまで研究グループで用いた弱いロボットは自律歩行するものであったが、ロボットが自分に向かって近づいてくる、顔を向けるなどの動作が高齢者がロボットに働きかける動作を導くことが分かっており、遠隔から動かすロボットにもこれらの動作を盛り込む予定である。また、手を伸ばす、手を握るなどの高齢者への直接の接触についても試みる. さらに、ロボット表面への外部者の容姿の投影についても進める予定である。 一方、個人対象の試演の行動分析も引き続き継続する。研究協力者の高齢者に対し、引き続き弱いロボットを用いた試演の協力を乞い、データの蓄積を図る。加えて、現在行っている状態遷移モデルを使った分析手法に対し、アノテーションにおけるタグ付け方法、高齢者の対象の行動を導く先行動作の影響の評価方法について精査する。
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