Project/Area Number |
23K02906
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
阿部 晋吾 関西大学, 社会学部, 教授 (00441098)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 医師―患者関係 / 診察場面 / 医療面接 / 怒りの正当性 / 怒り / 患者 / 医師 / 性格特性 / パーソナリティ |
Outline of Research at the Start |
医療現場における患者の怒りやその原因を扱った研究は多い一方で、患者の怒りを医療者がどのように受け止めているか、また医療者自身の怒りがどのような影響を及ぼすか、すなわち医療現場における怒りの対人的な影響については十分に検討されていない。本研究の目的は、医療者と患者双方の怒りとその正当性評価を明らかにし、またそれぞれの立場や性格特性による差異を考慮した上で、その後の影響過程を新たに解明することである。医療者と患者双方を対象とした調査、実験を実施することで、双方の認識のずれによる怒りの生起、さらにその後の影響に至るまでの関連性を明らかにできる。
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Outline of Annual Research Achievements |
医療現場においても怒りが生じることはあるが、患者が怒りをどのように表出し、医師はどのように対応しているか、そして怒りの正当性評価がこのプロセスにどのように関連しているかは明らかとなっていない。本研究の目的は、医療者と患者双方の怒りとその正当性評価を明らかにし、またそれぞれの立場や性格特性による差異を考慮した上で、その後の影響過程を新たに解明することである。令和5年度は研究Ⅰとして、医療者と患者双方を対象に質問紙調査を実施し、医療現場での怒りを引き起こす状況、またその後生じる行動の具体的な実態を検討した。ウェブ調査を専門とする調査会社で保有しているマスターサンプルから抽出された医師および通院歴のある成人、それぞれ約400名を対象として質問紙調査を実施した。その結果、医師が患者の怒りの表現が正当でないと判断した場合、医師は患者に対して怒りを感じ、不適切な言動を取りやすくなることが明らかとなった。その一方で、医師の不適切な態度やコミュニケーションは患者の怒りの主な原因であり、かつ、医師と患者の怒りの正当性に対する評価の相違を生じさせやすい原因でもあることが明らかとなった。したがって、こうした原因が医師と患者双方の怒りを増幅させ、悪循環を生む可能性が示唆された。これらの関連性は尺度評価得点に基づく量的な分析と、自由記述データの解析に基づく質的な分析の双方から確認された。令和6年度中に研究Ⅰのデータ分析および学会での成果発表を行うとともに、その成果を踏まえて研究Ⅱを実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りのスケジュールで研究Ⅰを実施することができた。その成果をふまえて令和6年度中に研究Ⅱを実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度の早い時期に研究Ⅰの分析を完了させ、できるだけスムーズに研究Ⅱに必要な質問項目や実験動画の作成作業に移行する予定である。
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