Project/Area Number |
23K02977
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
加藤 奈子 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任助教 (30837042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 彰子 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (70253424)
中尾 智博 九州大学, 医学研究院, 教授 (50423554)
久能 勝 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任助教 (20802573)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 強迫症 / 認知行動療法 / スーパービジョン |
Outline of Research at the Start |
子どもの強迫症は珍しくない病気であり、親を巻き込んで重症化し、不登校、家庭内暴力といった深刻な事態を招くことがあり、早期介入が必要である。が、子どもの強迫症への有効性が実証されている認知行動療法を実施できる治療者数が、本邦では絶対的に不足している。本研究では、子どもの強迫症への認知行動療法において、専門家による遠隔テレビ会議システムを用いた治療指導の効果を検証すると同時に、子どもの強迫症に特化した有効な治療指導を追究し、子どもの強迫症の認知行動療法治療マニュアルの作成を目指す。子どもの強迫症に対して有効な認知行動療法を実施できる治療者の養成と、治療者不足を解消するシステム構築が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、子どもの強迫症への認知行動療法の治療マニュアルを作成することである。子どもの強迫症の認知行動療法の治療者へスーパーバイズを実施し、治療者の、子どもの強迫症の認知行動療法への抵抗感や不安の内容を同定し、それらがスーパーバイズでどう変化するかを調べ、それらを踏まえて、実践的で実用的な、子どもの強迫症への認知行動療法の治療マニュアルの作成を目指す。 本研究で使用する質問紙、評価尺度等については、当初の予定通り、申請者らが先に行っていた強迫症への認知行動療法の治療マニュアルを改訂する研究で使用したものと同じものを使用することを検討し、確認の上準備が整っている。研究計画書、説明同意書等については、やはり当初の予定通り、強迫症への認知行動療法の治療マニュアルを改訂する研究を参考に、患者が未成年となることを踏まえて作成し、特に患者のアセント文書については、年齢による理解度の差異を配慮して、「16歳以上および代諾者」「12~15歳」「11歳以下」の3種類を準備した。そのうえで、医学研究院倫理審査委員会に倫理審査申請を行うも、継続審査となった。 治療者が、自らが行う治療の内容についてスーパーバイズを受けるならば、スーパーバイズで得られたアドバイスが治療に反映されるので、スーパーバイズは治療介入の一部と考えられる。スーパーバイズのアドバイスが反映された治療の効果を見ることが、新規の治療方法の効果を見るという視点であれば、侵襲のある研究とみなされ、病院倫理審査委員会に倫理審査申請を行わなければならないとの指摘を受けた。 スーパーバイズを受けながら治療が行われることは研究目的ではなく治療目的として行われていて、そこで得られた結果を研究に用いるというデザインであることが伝わるように種々の書類を修正し、現在医学研究院倫理審査委員会に再度倫理審査申請を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年6月1日から11月30日まで申請者が研究機関の千葉大学においてサバティカルとなり、その間倫理審査申請は元より、倫理審査申請に関する相談を行うことが困難であった。サバティカルを終えてから、倫理審査申請の準備を進めた。医学研究院倫理審査委員会の開催が2か月ごとで、2024年2月に漸く初めて書類を提出することが出来、3月に審議にかけられた結果、継続申請となった。再度検討を重ね、書類を修正し、4月12日に医学研究院倫理審査委員会に再度書類を提出した。5月に委員会が開かれて審議にかけられる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
5月開催予定の倫理審査委員会で承認が得られれば、以降子どもの強迫症への認知行動療法のスーパーバイズ希望者に対して、募集を開始する予定である。 対象者に、スーパーバイズ開始直前に対象者到達度評価項目を含む対象者用質問票①(強迫症の認知行動療法についてのアンケート(SV開始前))を記入してもらう。対象者に、初心の治療者のつまずきやすい箇所について、それをSVがどう変化させたかなど、SVの内容をSV記録として記載してもらい、SV時にスーパーバイザーに共有してもらう。最終セッションのSV終了後に、対象者に対象者到達度評価項目を含む対象者質問票②(強迫症の認知行動療法についてのアンケート(SV終了時))、対象者質問票③(マニュアルについてのアンケート(SV終了時))を記入してもらう。 対象者到達度評価から、強迫症の認知行動療法のスーパーバイズが、子どもにおいて遠隔で行っても、治療者の到達度の向上を図り得ることを実証し、1,8回目および最終セッションの強迫症状尺度から、子どもにおける遠隔スーパーバイズの有効性を確認する。 認知行動療法の治療過程での初心の治療者の陥りやすい過ちなど、上記データから抽出し、その克服の仕方など、具体例を交えて、実践的で実用的な治療マニュアルを作成する。 被検者登録を2025年3月末までとし、被検者観察を同年9月末までとし、データ解析を含む研究実施を2026年3月末までとする予定である。
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