| Project/Area Number |
23K03025
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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| Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
朝倉 政典 北海道大学, 理学研究院, 教授 (60322286)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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| Keywords | 超幾何関数 / フロベニウス構造 / p進コホモロジー / p進L関数 / レギュレーター / L関数 |
| Outline of Research at the Start |
本研究課題では、代数多様体のレギュレーターとL関数を研究する。有理数体上で定義された代数多様体のモチヴィックコホモロジーから定まるレギュレーターおよび、p進コホモロジーによって定まるレギュレーターのp進類似を研究する。一般的な設定で研究しても実り多い成果が得られるとは考えていないため、超幾何関数などと関連した特殊多様体に焦点を当てて研究を行っていく。 本研究課題を遂行するために、2024年度と2026年度にL関数とレギュレーターをテーマとする研究集会を行う。国内外を問わず多くの研究者を招いて研究交流を行い、研究の活性化を行う。
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| Outline of Annual Research Achievements |
2024年度における研究実績の概要は以下のようになる。 当該研究課題においては、代数多様体のL関数を複素幾何とp進幾何の両方から研究しているが、2024年度は、特に、代数多様体の退化によって現れるp進周期について、GKZ超幾何級数 (GKZ=Gelfand, Kapranov,Zelevinsky)を用いて研究した。より詳しく説明すると、半安定な代数多様体の退化族に対し、退化ファイバーに通常の方法で対数構造を付与することで、対数的クリスタリンコホモロジーが定まる。これは複素幾何におけるホッジ構造の極限に相当するものである。クリスタリンコホモロジーの一般論より、(対数的)クリスタリンコホモロジーにはフロベニウス写像が作用する。このフロベニウス写像を行列表示したときの成分が、(一定の条件下では)p進L関数の特殊値になると期待されている。これを証明することを目標に研究を行った。 射影超曲面のドゥヴォルク族など、特殊な場合については、萩原啓氏(慶応大学)と研究代表者の共同研究によって、この問題に対し肯定的な結果を得ることができた。萩原啓氏との共同研究では、1変数超幾何級数の微分方程式のフロベニウス構造が鍵となったが、1変数超幾何級数の微分方程式からGKZ超幾何級数の微分方程式系に拡張すれば目標が達成できると考えた。しかしながら、研究代表者には、GKZ超幾何級数の専門知識が不足していたため、その分野のプロフェッショナルとのセミナーや議論を通して、専門知識の習得に努めた。同時並行で、課題としていた問題の研究を行った。2024年度末現在、上記の課題は、いまだ完全には解けておらず、現在も研究継続中である。一方、多くの非自明な具体例を構成することには成功しており、近いうちに公表(論文発表)できるだけの成果が得られるだろうと、手ごたえを感じている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題はおおむね順調に進展しているといえる。以下のその理由を述べる。 本研究課題の主要テーマは代数多様体のL関数である。ここ数年はずっと、代数多様体の退化とp進L関数の特殊値について深く研究している。2023年度には、萩原啓氏(慶応大学)との共同研究により、1変数超幾何級数の微分方程式のフロベニウス構造を具体的に決定することで、上記の退化とp進L関数の特殊値について興味深い結果を得ることができた。この共同研究は、K. Kedlayaによる超幾何微分方程式のフロベニウス構造を用いている。研究代表者は、Kedlayaのフロベニウス構造がGKZ系(GKZ=Gelfand, Kapranov,Zelevinsky)に対しても一般化できそうであることに気づき、それを実現するために鋭意研究に努めている。これが実現すれば、トーリック超曲面などかなり広いクラスに対して、退化とp進L関数の特殊値に関する結果が得られると考えている(これは萩原啓氏との共同研究の広大な一般化に相当する)。 研究の進捗状況は、おおむね順調であるが、完全に実現するには、まだまだ技術的なことを含め、やるべきことが山積している。進捗状況が必ずしもはかばかしいとは言えない理由のひとつに、研究代表者がGKZ超幾何級数の専門家でない点がある。GKZ超幾何級数の理論は、Gelfand, Kapranov,Zelevinskyによって創られた理論であるが、齋藤、高山、Stumfelsによって、理論はより整備され一般化されている。この強力な理論を習得することは、本研究課題の遂行において大変重要である。2024年度中は、この理論の習得に多くの時間とエフォートを費やした。しかしながら、そのおかげで、いろいろなことが見えてくるようになり、課題遂行の展望も開けてきている。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究課題の推進方策について報告する。 ここ数年間は、代数多様体の退化とp進L関数の特殊値について研究している。2024年度においては、この課題の研究を遂行するため、GKZ超幾何級数の理論を、主に齋藤、高山、Stumfelsによる専門書「 Grobner Deformations of Hypergeometric Differential Equations」から学んだ。GKZ超幾何級数の理論は、本研究課題の技術的核心部分であると考えている。これにより、本研究課題の遂行のために必要なGKZ超幾何級数の理論についてはある程度見通しが立った状況である。 一方で、p進L関数との関係を研究するためには、p進コホモロジー上のフロベニウス構造が鍵となっている。これらは、数論的D加群の理論など、まだまだ技術的な点で克服すべき課題が残っている。研究代表者は、数論的D加群の理論にそれほど詳しくはない。課題の遂行のためには、それを習得する必要があると感じている。 今後は、GKZ系の微分方程式のフロベニウス構造の構成を最終目標に研究する。その際、GKZ系の専門家との共同研究や、p進コホモロジーないし数論的D加群の専門家との共同研究も想定しつつ、研究を遂行する。特に、宮谷和尭氏(徳島大学)は、数論的D加群の専門家であり、研究代表者と同じ興味を共有している。宮谷氏とは、本研究課題を含むいろいろなテーマでしばしば議論を積み重ねている。今後も、継続的に宮谷氏と議論していく予定であり、本研究課題の遂行するにあたり、非常に大きな進展が期待できると考えている。
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