Theoretical elucidation of hypergeometric functions behind multiple zeta values and multiple zeta algebra based on them.
Project/Area Number |
23K03026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大野 泰生 東北大学, 理学研究科, 教授 (70330230)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 多重ゼータ値 / 超幾何関数 / Bernoulli数 / 一般超幾何関数 / Schur多重ゼータ値 / Schur多項式 / Jacobi-Trudi公式 / 母関数 |
Outline of Research at the Start |
オイラーとゴールドバッハに起源をもつ多重ゼータ値の研究では、リーマンゼータ関数の正整数点での値(リーマンゼータ値)のみを扱う場合に比較して、潤沢な数学的構造が現れる。具体的には、有理数体の上に多重ゼータ値が張る線形空間は、おそらく次数付き環の構造をもち、また各多重ゼータ値はおそらく超越数(代数方程式の解にならない数)であると考えられる。多重ゼータ値のなす空間の構造解明に向けて多数の予想が得られているが、他方なかなか解決しない難題も多い。本研究では、より自由度が高く情報量も多い超幾何関数が多重ゼータ値の関係式の背後にあることを詳しく解明し、その繋がりを用いて上記の構造に光を当てることに取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
第一に、多重ゼータ値と多重ベルヌーイ数を正と負の整数点での値にもつ、Arakawa-Kaneko型多重ゼータ関数の研究を行った。Arakawa-Kaneko型多重ゼータ関数の特殊値の、ある種の和の母関数について、その満たす微分方程式におけるある種の変数変換によって得られる有理線形関係式を得た。これはとりわけ双対関係を軸とする対称性をもつ関係式族の解明となる成果と言える。第二に、超幾何関数の観点で再解釈すべきSchur型多重ゼータ関数およびその一般化に対して、特殊値の満たす双対公式とその一般化について、中筋麻貴氏(上智大学)と共同を推進した。通常のSchur型多重ゼータ値の双対関係式およびその一般化については、中筋氏との共同で成果を得ており、また1変数複素関数に補間した場合でも優れた双対性が保たれることを、中筋氏と武田渉氏(東京理科大学)との共同研究で得ている。Schur型多重ゼータ関数の枠組みを少し広げた場合において、類似の双対性が保たれるかについては、現在研究を進めているところである。既に得た結果を広い意味での超幾何関数の関数関係式と対称性をもって再解釈する研究も同時に進行中である。第三に、多重化されたベルヌーイ数およびベルヌーイ多項式のもつ組合せ論的性質を、ある種統一的に解釈した先年の研究について、母関数の観点から超幾何関数の現象として解釈する研究にも着手した。第一の研究においてはさらに、現象解析的見地からの成果の再解釈、すなわち一般超幾何関数のもつ対称性と関係式族の観点から、既に得ている関数関係式あるいは和公式のもつ対称性を解釈する研究について、Wadim Zudilin氏(Nijmegen Radboud Univ.)との共同研究を進めているが、対面対話機会を持てていないことなどによって、込み入った議論に困難が生じやすく、また感覚の共有に大きな時間がかかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
広い意味での超幾何関数の接続公式と多重ゼータ値の関わりについて様々な観点から捉えることにより有用な情報を生んでいる。他方、統一的な見地からの総括的な情報入手にはまだ情報が充分とは言えない。すなわち、得られている情報はある種散発的であると考えられ、その意味する事柄や背景について理解を得るには、より補間的な意味での情報の追究が必要となる。本研究による取り組みで、Schur型多重ゼータ値を含む双対的性質について、活用的な意味で超幾何的な視点を持つことはある程度可能となり、現段階で一定の満足を得られる状況である。かたや、全体像を捉えるには、予想していたことではあるが、まだ複数の困難が立ちはだかっていると言える。一部の課題において、すなわちArakawa-Kaneko型多重ゼータ関数、Kaneko-Tsumura型多重ゼータ関数において、性質の優れた和に対して成立する、線形関係式族の超幾何的解釈の課題については、ナイメーヘン大学のZudilin氏との共同体制を取っているものの、互いの多忙に加え昨今の渡航困難や渡航費用の高騰があって、対面での研究連絡機会をしばらく得られずいる(2024年度中には実現予定)。オンラインでの研究連絡は行うものの、議論に限界があり、特に建設的アイデアの創造的模索や感覚的な情報共有においてその障壁は高いものと言える。この面において進捗はやや期待より遅れ気味であると感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究計画において理論的追究と試行錯誤はともに欠かせないが、その後支えとして数値計算による現象理解のためのデータ蓄積は欠くことができない重要なものである。これまでに相当量の各種データの集積と活用は進んでいるものの、近年脚光を浴びている2分の1ゼータ値の観点や有限多重ゼータ値、Schur型多重ゼータ値、多重ゼータのq類似、極めて最近導入されたゼータフラット値の観点からのデータ集積とその充実は喫緊の課題であり迅速に進める予定である。それらの数値計算結果を参照しつつ、各種多重ゼータ値の母関数と多様な超幾何関数との理論的関係付けについて究明を進める予定である。とりわけ、Schur型多重ゼータ値の拡張概念に対する双対的性質の解明には、理論的追究とデータによる裏打ちとの並行を強く意図している。他方、ナイメーヘン大学のZudilin教授やマックスプランク研究所のZagier教授、ダラム大学のGangl教授やオックスフォード大学のBrown教授らを本年度内に日本へ招き国際研究集会を開く計画を共同で立てており、特にZudilin教授とは上述の共同研究における突き合せと相互理解、特に感覚的擦り合わせをしっかりと行い著しい進展へ挑む計画を立てている。また、Zagier教授とGangl教授との研究連絡も行う予定である。Gangl教授は以前よりOhno-Zudilinによる2-1公式の着想と2分の1ゼータ値および周期多項式と尖点形式の関係性に積極的な興味と発言を行っており、研究代表者の計画とかなり近い思想を携えているばかりでなく、以前から研究ノートの共有など、研究上のメール討論を度々行っているため、対面で課題を議論するに最適な相手と言える。また、65回を数える関西多重ゼータ研究会を年4回程度共同主催し、また青葉山ゼータ研究集会の毎年開催を続けて、研究連絡・情報収集・分野の活性化と若手育成機会とする。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)