Study of moduli spaces of vacua of supersymmetric gauge theories by geometric representation theory
Project/Area Number |
23K03067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 啓 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (00201666)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 超対称性ゲージ理論 / 弓箭多様体 / S-双対多様体 / クーロン枝 / 箙多様体 |
Outline of Research at the Start |
物理学者は,複素簡約群Gと,そのシンプレクティックな表現Mの組に対して,3次元超対称性ゲージ理論を考えるが,場の量子論は数学的に厳密に定式化されてはおらず,これを正当化することは数学的に重要である.この問題において鍵となるのが,ゲージ理論に付随する真空のモジュライ空間,特にヒッグス枝M_H(G,M), クーロン枝M_C(G,M)である.研究代表者らの近年のクーロン枝に関する研究を踏まえ,多くの(G,M) の例で,ヒッグス枝,クーロン枝および,その量子化を,幾何学的表現論の新しい研究対象として研究し,その構造を理解する.特に,今までよく調べられてきた弓箭多様体を基に,その変種を考察する.
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Outline of Annual Research Achievements |
超対称性ゲージ理論のクーロン枝の数学的な定義は,中島とBraverman, Finkelbergの共同研究により与えられた.クーロン枝は、アファイン代数多様体として、その座標環が,アファイン・グラスマン多様体への射を持つ"三つ組み多様体"の同変ボレル・ムーア・ホモロジー群に合成積を導入したものになるように定義される.三つ組み多様体の双対複体をアファイン・グラスマン多様体に押し出したものは,同変構成可能複体の導来圏の環対象である.これに,幾何学的佐武対応から得られる正則層をテンソル積したものも環対象であり,そのコホモロジーを座標環とする,S-双対多様体が定義される.この定義は,より一般にゲージ理論とは限らず、アファイン代数多様体の余接束と群の組に対して定義される.その場合,BenZvi-Sakellaridis-Venkateshの相対ラングランズ対応における双対なシンプレクティック多様体と一致すると期待されている.
アファインA型の箙ゲージ理論のクーロン枝は,弓箭多様体と同型であることが, 中島-高山により証明されているが,この結果をS-双対多様体の立場から再検討した.つまり,弓箭多様体は,基本ブロックの two-way と triangle というシンプレクティック多様体のいくつかの積のシンプレクティック商として定義されるが,two-way のS-双対多様体が triangle に他ならない,と観察した.また,基本ブロックを組み合わせて弓箭多様体が定義されることは,S-双対多様体とシンプレクティック商がcompatibleであることの帰結と理解される.また,S-双対は互いに双対であることが期待されることから,triangleから出発すると two-way がS-双対になることが期待される.これをいくつかの自然な作業仮設のもとで検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
S-双対多様体の研究は,相対ラングランズ対応において重要な役割を果たすと期待でき,その理解が進んだことは有益である.また,研究計画にある,古典アファイン型の箙に対する超対称性ゲージ理論のクーロン枝の,弓箭多様体の変種による同定については,大きな進展は得られていないが,S-双対の視点は有用であると期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
古典アファイン型の箙に対する超対称性ゲージ理論のクーロン枝を弓箭多様体の変種と同定するために,S-双対の考えを使う.すると古典アファイン型の箙がA型の箙と異なるところ,すなわち箙の右端と左端に着目すればよいことが分かる.さらに右,左は分けて取り扱えるので,アファインではなく有限型の場合に理解すればよいことになる.その場合の弓箭多様体の変種は,箙多様体の対合ι の固定点集合になると期待される.箙多様体は幾何学的不変式論の商を用いることによりシンプレクティック特異点解消を持つことから,そこで対合ι の固定点集合を取ると滑らかな多様体が得られる.その連結成分をうまく取り,弓箭多様体の変種として期待される性質をもつことを示すことにより,クーロン枝と同定することを計画している.
また,この手法をFinkelberg, Hananyと共に研究している直交斜交箙ゲージ理論のクーロン枝についても使うことを計画している.Kraft-Procesiは直交斜交箙多様体と,古典型べき零軌道の関係を示したが,Li [6] は後者のシンプレクティック特異点解消を箙多様体の対合の固定点集合を用いて実現した.しかし,弓箭多様体の変種として現れるものは,古典型べき零軌道そのものではなく,それをSlodowy横断片で切ったものである.これは,古典型べき零軌道そのものよりも,よい性質を持つのではないかと,期待している.一般に古典型べき零軌道は正規とは限らない,シンプレクティック特異点解消を持つとは限らない,などA型のべき零軌道とは異なる性質を持ち,未だにわかったとは言えない部分が多いので,クーロン枝が新たな視点を与えることを期待している.
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)