Project/Area Number |
23K03132
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
遠山 宏明 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (90297581)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | n次剰余相対作用素エントロピー / 作用素不等式 / 作用素エントロピー / 作用素値ダイバージェンス / 作用素平均 / 相対作用素エントロピー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、量子情報理論において議論されていることに対して、作用素論的な立場により解釈を与え、n次剰余相対作用素エントロピー等を用いることによって、新たな非可換情報理論を構築することを目的とする。具体的には、量子力学で扱われているエンタングルメントエントロピーやダイバージェンスに対応する概念を作用素論の枠組みの中で構築することを目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、作用素平均を拡張した概念を用いて、相対作用素エントロピーや作用素値ダイバージェンスの概念を導入し、非可換情報理論に対する新たな見方を与えるものである。近年の研究では、相対作用素エントロピーを一般化した概念としてn次相対作用素エントロピーを導入し、それらの性質を調査してきた。中でも、Taylor展開の剰余項を用いて定義したn次剰余相対作用素エントロピーの発見は、私たちの研究を飛躍的に発展させた。n次剰余相対作用素エントロピーは、これまでに導入してきたすべてのn次相対作用素エントロピーの性質を包含する概念であるため、n次剰余相対作用素エントロピーの性質を調査することで、私たちの扱ってきたすべての相対作用素エントロピーの性質を一括で調査することができる。 これまでに、Youngの不等式に対して様々な改良に関する研究が公表されている。その応用として、Korusはヒルベルト空間上の2つの正定値有界線形作用素AとBに対して成立する不等式を紹介したが、私たちはそれをもとに作用素値αダイバージェンスと2次の一般化相対作用素エントロピーを導き出すことに成功した。2023年には、n次剰余相対作用素エントロピーを用いてn次作用素値αダイバージェンスを導入し、AlzerによるYoungの不等式の一般化を得ることに成功した。これらの成果については、国内での学会・研究集会において2件の口頭発表を行った。 さらに上記で述べたAlzerによるYoungの不等式の一般化不等式とは対照的な不等式を得ることに成功したため、遠山(研究代表者)と研究協力者の渡邉雅之氏,亀井栄三郎氏および、伊佐浩史氏との共同研究の成果として,論文雑誌に投稿する準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
n次剰余相対作用素エントロピー及びn次作用素値αダイバージェンスを用いて、AlzerによるYoungの不等式の一般化を得た研究に関しては、論文誌Advances in Operator TheoryにおいてAnnual Best Paper Award 2024を受賞した。さらに、論文誌掲載には至っていないものの、同研究に関連する発展的な研究成果は既に得られており、現在論文雑誌に投稿の準備を進めている。 このことから、本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、前年度に引き続きn次剰余相対作用素エントロピー及びn次作用素値αダイバージェンスの関係についての調査に取り組む。本研究で得られた結果については、論文雑誌に投稿する。また、日本数学会年会・秋季総合分科会や京都大学数理解析研究所で行われる研究集会等で発表を行う予定である。 これらの研究活動の遂行のため、旅費、書籍の購入、論文掲載料の経費を使用する予定である。
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