Project/Area Number |
23K03144
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西岡 斉治 山形大学, 理学部, 准教授 (10632226)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2027: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 微分差分体 / 差分代数 / 微分代数 / 超超越性 |
Outline of Research at the Start |
階乗の複素関数への拡張としてガンマ関数Γ(z)があり、それは代数的微分方程式をみたさないことが知られている。これはz, Γ(z), Γ'(z), Γ''(z), ...の間に有限回の四則演算による関係式が存在しないという性質で、超超越性と呼ばれる。ヘルダーによる1886年発表の研究が先駆的であり、その後も差分方程式によって定義される関数に対する同種の研究が続いている。本研究では超超越性を持つ関数をさらに見つけ、証明することを目標とする。 また、対象を入れ替えて微分方程式が定義する関数が代数的差分方程式をみたし得るかという問題も考えられる。加法公式や倍角公式の有無に関連する。
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Outline of Annual Research Achievements |
階乗の複素関数への拡張としてガンマ関数Γ(z)があり、それは代数的微分方程式をみたさないことが知られている。これはz, Γ(z), Γ'(z),Γ''(z),...の間に有限回の四則演算による関係式が存在しないという性質で、超超越性と呼ばれる。ヘルダーによる1886年発表の研究が先駆的であり、その後も差分方程式によって定義される関数に対する同種の研究が続いている。一方、対象を入れ替えて微分方程式が定義する関数が代数的差分方程式をみたし得るかという問題も考えられる。楕円関数を例に考えれば、加法公式や倍角公式の有無に関連する問題であることがわかる。この問題を以下では差分超越性と呼ぶことにする。これは超超越性を微分超越性とも呼ぶためである。 本研究の目的として、微分超越性あるいは差分超越性に対して有用な研究手法を作ることを掲げている。より広く、加法公式や倍角公式に導関数が現れることを許せば、問題はさらに複雑である。公式の形を限定した上で、それを満足する関数を見つけるといった方向性も考えられる。 以上をふまえて、本年度は微分と差分が混在する方程式系を扱っている研究を収集し、内容を検討した。特に、新たに「時間遅れ系」を題材とした研究集会に参加し、その分野の問題意識と現況を理解すべく努めた。また、微分と差分がともに付与された体である微分差分体というものがあるが、ビヤリンスキー・ビルラによって定義された微分差分体の強正規拡大に関連する可能性がある既存研究を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに「時間遅れ系」という関連性が高いと思われる分野の専門家との学術的交流が実現した。また、微分差分体の研究においては、強正規拡大の具体例を考察する手がかりを得た。
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Strategy for Future Research Activity |
微分と差分が混在する方程式系は「時間遅れ系」の一種とも捉えられる。しかし楕円関数の加法公式を仮に微分差分方程式と捉えて考察する場合、その解は有理型関数ないし代数型関数と仮定するのが自然であるところ、「時間遅れ系」ではそれと異なる関数を想定する。微分・差分代数では、ふつう関数の集合を決めずに議論をするため、この違いに対して何らかの対処法を検討していく。
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