Project/Area Number |
23K03335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13040:Biophysics, chemical physics and soft matter physics-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
羽鳥 晋由 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (00283036)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 中間径フィラメント / アクトミオシン / 自己組織化 / タンパク質間相互作用 / 細胞骨格 / 相分離 / モータータンパク質 / 中間径線維 |
Outline of Research at the Start |
細胞形態に動的秩序を与える細胞骨格線維群の相互作用が,どのように細胞内の組織化を誘導するのかは,真核細胞の恒常性や操作の向上に関わる根源的な問いである.応募者は,異種の線維からなる組織化にいち早く着目し,アクチン線維とデスミン線維(中間径線維)ネットワークの間の線維成長に依存した共局在と相分離を見出した.そこでは非特異的で可変的な“ゆるい相互作用”が働くと想定される.本研究では2種類の線維を同時観察するための顕微鏡系を構築し,自律推進するアクチン線維とデスミン線維との接触時の運動変化を直視することで相互作用の仕方を明らかにする.そこから選択的組織化へと至る過程を追跡する.
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞形態に動的秩序を与える細胞骨格線維群の相互作用が,どのように細胞内の組織化を誘導するのかは,真核細胞の恒常性や操作の向上に関わる根源的な問いである.応募者は,異種の線維からなる組織化にいち早く着目し,アクチン線維とデスミン線維(中間径線維)ネットワークの間の線維成長に依存した共局在と相分離を見出した.そこでは非特異的で可変的な“ゆるい相互作用”が働くと想定される.本研究では2種類の線維を同時観察するための顕微鏡系を構築し,自律推進するアクチン線維とデスミン線維との接触時の運動変化を直視することで相互作用の仕方を明らかにする.そこから選択的組織化へと至る過程を追跡する. 本研究の目的は,“2種の線維系において,蛍光顕微鏡法を用いて個々の線維間の力学応答を直視し,ゆるい相互作用を定量化することにより選択的組織化へと誘導する仕組みを明らかにすること”である.自律推進するアクチン線維がデスミン中間径線維との接触による速度ベクトル変化からゆるい相互作用の大きさや様式を評価し,さらに密度増加に応じて個々の線維がどのように集合体を形成し変容するのかを調査する.2023年度には,蛍光顕微鏡下でのシングルデスミン線維観察条件を確立し,デスミン線維存在下でミオシンモーターの駆動力によるアクチン線維の運動が可能かどうかを検証した.予期せずにデスミン線維はミオシン分子と結合することを発見した.この結合作用はアクチン線維とミオシン分子間の相互作用に変調を与えることを意味する.さらにリアルタイムでのデスミン線維とアクチン線維の作用を調査するために,この2つの線維を同時観察を可能とする顕微鏡の構築を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
デスミン濃度,イオン強度,2価カチオン濃度等を調整することで,シングルデスミン線維の蛍光観察を実現した,デスミン線維は,ガラス表面,コロジオン表面,ミオシンコート表面のいずれにも吸着し,固定することができた.それにより,デスミン線維を含んだ系でのアクチン線維の運動を実施でき,アクチン線維がデスミン線維に接触するときにアクチン線維の運動が変調することを確認した.加えて,デスミン線維はミオシン分子と非特異的に結合することを見出した.それによりアクチン線維とミオシン分子との間の相互作用を変調することを明らかにした.この結果を日本生物物理学会年会と査読付き国際誌に発表した.さらに2波長観察を目的として,独自の顕微システムを構築中である.現在,光源としてレーザー光を顕微鏡に導入し全反射照明を実現した.加えて,適切な蛍光フィルター・ミラーを導入することで,2つのカメラにより異なる波長像が同時に得られることを確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
2波長蛍光顕微システムを完成させる.レーザー光の照明に干渉縞が生じるため,スペックルリデューサを購入し,組み入れることで空間均一な照明とする.2つの映像を同時取得するプログラムを開発し,デスミン線維とアクチン線維のリアルタイム計測ができるようにする.これにより,運動自由度をもつデスミン線維とアクチン線維が混在する系において,ミオシン駆動力によりどうのような組織化が生じるのか,デスミン線維とアクチン線維がどのように相互作用するのかを調査する.
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