グリーンプラズマエッチングに向けた高アスペクト比孔内の活性種輸送特性の実験的解明
Project/Area Number |
23K03367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 14030:Applied plasma science-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堤 隆嘉 名古屋大学, 低温プラズマ科学研究センター, 講師 (50756137)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | プラズマエッチング / グリーンプロセス / 半導体 / 輸送機構 / 高アスペクト / 高アスペクト比 / 半導体製造プロセス / 活性種輸送 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、正負イオンおよびラジカルの活性種の時空間計測により高アスペクト比孔内の輸送特性の実験的解明を試みる。高アスペクト比エッチングは、アスペクト比の増加に伴い孔内底面へのラジカルおよびイオン供給不足によりエッチングレートが低下する問題を抱えている。バイアス電力をさらに増加させ活性種供給律速の問題を避けているが、この超高電力消費は環境・エネルギー問題の観点から解決すべき課題であり、超高アスペクト比孔内の活性種の輸送特性の実験的解明は、全人類の喫緊の課題である半導体製造プロセスのグリーン化に貢献し、次世代半導体デバイス製造のためのすべてのプラズマプロセスに資する科学的基盤の構築に寄与する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、正負イオンおよびラジカルの活性種の時空間計測により高アスペクト比孔内の輸送特性の実験的解明を目的とし、現在の高アスペクト比プラズマエッチングプロセスが抱えている電力消費問題を解決するためのプラズマプロセスに資する科学的基盤の構築を目指している。 R5年度は主にパルスプラズマ中の正イオンおよび負イオンのエッチング材料表面への到達過程を、正負イオンのエネルギー分布を四重極質量分析計(QMS)を用いて計測することで明らかにした。また、負イオン種は電極材料に強く依存していることがわかり、表面への輸送速度も負イオン種により異なることが実験的に解明された。 パルスプラズマにおけるRFオフ後の数十マイクロ秒程度の電子の消失により表面近傍に形成されていたシースが消失することで、正負イオンーイオンプラズマから表面への負イオンの到達が可能となることが実験的に明らかになった。また、負イオンのエネルギー分布の計測にも成功し、DC重畳などによるエネルギー制御の可能性を見出すことに成功した。つまり、現在の応用されているパルスプラズマではRFオン中には負イオンが表面に到達することはなく表面反応への寄与はない。今回構築した計測システムを用いることで計測結果に基づいて負イオンを高効率に利用できるプロセス改良が可能となり、グリーンプラズマプロセスに貢献できる環境を整えた。 さらに、微細孔内のイオンおよびラジカルの輸送機構の解明をするために質量分析器の装置設計および改良も進め、R6年度の本格的な定量解析に向けた予備実験を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R5年度は気相中で生成された正イオンおよび負イオンの表面への輸送機構を調べるための計測システムを構築し、表面に輸送される負イオンのエネルギー分布および粒子種を実験的に初めて明らかにした。負イオン種は電極材料に強く依存しており、より高効率に負イオンを応用するための装置設計の指針を得ることができた。 本研究で重要な役割を果たす微細孔内のイオン種およびラジカル種の損失確率の定量解析のために、質量分析器の装置システムの設計および構築を予定通り実施した。計測結果からさらに計測システムの環境構築を進めており、R6年度には定量分析の結果を報告できる予定である。 以上のことから、総合評価を(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
R6年度に確立した活性種の輸送機構の計測システムを駆使して本研究課題の核心である微細孔内の正イオンおよび中性粒子の側壁での損失確率およびその膜材料依存性を明らかにする一方で、負イオンを効率よく表面に輸送するプロセス設計を進める。 イオン-イオンプラズマにDC重畳することで負イオン密度の増加および新たな負イオン種の生成が実験で明らかになり、さらにDC重畳により形成される電界により高エネルギーの正・負イオンが電極および孔内に輸送されることがわかった。そのため、装置およびプロセス改良を行いイオン-イオンプラズマでの正負イオンの孔内輸送のメカニズムおよび表面反応への影響を解明する。 また、これまで計測がされていない高アスペクト比孔内でのイオンの中性化により生成される高速ラジカルや側壁保護膜のスパッタによる生じるラジカルの生成や表面損失を調べる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)