Project/Area Number |
23K03540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
福山 繭子 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (40630687)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 柘榴石 / U-Pb / 年代測定 / 標準物質 / マイクロXRF / LA-ICP-MS / 局所分析 / U-Pb年代 / 誘導結合プラズマ質量分析 |
Outline of Research at the Start |
地球の進化とそのダイナミクスを理解するには、正確な岩石の年代決定は重要な情報となる。現在、一般に広く用いられている年代測定法としてジルコンのウラン(U)-鉛(Pb)年代測定法がある。近年、ジルコン以外の鉱物のU-Pb年代測定が試みられており、そのうち柘榴石のU-Pb年代測定法はスカルン鉱床の形成年代を直接得る手法として有効な手法と言える。しかしながら、柘榴石U-Pb年代測定法は、ジルコンU-Pb年代測定法と比較すると、その精度や適用範囲に課題がある。本研究では、これらの課題に取り組み、高精度柘榴石U-Pb年代測定法を構築し、柘榴石U-Pb年代測定法によるスカルン鉱化作用の年代決定を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
岩石の形成年代は、地殻の進化とその動的過程を解明する為に欠かすことができない情報である。よく用いられる岩石の年代測定法として、ジルコンのウラン-鉛(U-Pb)年代測定法がある。しかしながら、過去10年、局所分析が可能なレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析計(LA-ICP-MS)を用い、従来は年代測定には不向きとされていた方解石や柘榴石といったジルコン以外の鉱物への年代測定が試みられるようになった。これらの鉱物の年代測定はジルコンを産しない岩石の年代測定法として、極めて有効である。しかしながら、ジルコンと比べると、これらの鉱物は、同じ鉱物標準物質が限られており、また高い初生鉛含有量による測定上の制約や二次的な影響による同位体組成の改変のために、年代測定を実施しても形成年代を得られないことがある。 本研究では、スカルンやエクロジャイトといった岩石の形成年代を直接決定できる手法として、柘榴石のU-Pb年代測定法に着目した。柘榴石U-Pb年代測定用一次標準物質の作成と柘榴石の元素分布指標構築を実施することで、高精度柘榴石U-Pb年代測定法を実現することを目的としている。 本年度は、国内外でスカルン柘榴石、含柘榴石花崗岩の採取を実施した。加えて、宝石グレードの柘榴石を入手し、標準物質候補として、産状、端成分の異なる8試料の柘榴石のU-Pb年代測定を行なった。。また、マイクロXRFとLA-ICP-MSを用いて、これら柘榴石中の主・微量元素の相関を検討し、柘榴石中のチタン濃度がウラン濃度と明瞭な相関を示すことが明らかとなった。このことは、柘榴石のU-Pb年代測定において、事前にEPMAやマイクロXRFでチタンを含む主成分元素マップを作成することで、効率的なU-Pb年代測定を可能とすることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、いくつかの標準物質候補である複数の柘榴石のU-Pb年代測定を実施し、ウラン濃度、初生鉛の量といった条件を検討した。その結果、ウラン濃度と相関のあるトレーサーとなり得る主成分元素がチタンであることが特定できている。また、年代測定を実施した柘榴石は海外の試料が多く、そのうち1試料は国際共同研究者から提供を受けたものである。この柘榴石の年代測定結果については、国際共同研究者が論文を投稿している。このような理由から、本研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、柘榴石試料を追加し、U-Pb年代測定を実施し、本年度に得られた結果について検証をする。本年度に実施した年代測定の結果、初生鉛とそのバリエーションによって、年代値が得られる場合と得られない場合がある。今後、初生鉛とその他の元素との相関についても検討し、年代測定に適した試料選定の手がかりを探索する。 本年度に実施した柘榴石のU-Pb年代測定の結果、1試料については、二次標準物質として適当な結果が得られている。そのため、この試料については海外共同研究者の協力の下、ラウンドロビンを実施し、標準物質としての適正を検証する。また、本年度は、柘榴石のみに焦点をあてて元素の相関について検討をしたが、今後、柘榴石を含む岩石の鉱物組合せとその元素分布を把握し、柘榴石中のウラン濃度を律速する鉱物を特定する。
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