| Project/Area Number |
23K03576
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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| Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
米倉 大介 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (70314846)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 一也 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (70274256)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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| Keywords | 多層膜 / エロージョン / アークイオンプレーティング / 膜厚比 / 残留応力 |
| Outline of Research at the Start |
固体粒子エロージョン特性を向上させる手段として,硬質層と延性層を組合せた多層膜が有望視されている.しかし,多層膜のエロージョン特性は多くの因子に影響を受けるため,耐エロージョン性を向上させるための主要因が絞り込まれていないのが現状である.本研究は,粒子の衝突によるCr/CrN多層膜の損傷過程・損傷機構を明らかにし,高い耐エロージョン特性を有するCr/CrN多層膜の実現を目指すものである.その際,き裂進展抑制層として働く延性層の厚さとその内部の残留応力の影響に焦点を絞り,検討を行う.その上で得られた知見を利用し,耐エロージョン多層膜の設計の指針を構築しようとするものである.
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度最も有望であった膜厚比Cr:CrN=9:1の組合せを3組積層した多層材を用いて検討を進めた.また,投射粒子として平均粒径の異なる3種類の高硬さの球形アルミナ粒子を用い,投射粒子による切削が激しい投射角度30°の条件下でのエロージョン特性に及ぼす投射粒子径の影響についても併せて検討を行った.以下に得られた主な結果を示す. 1. CrN単層材及びCr/CrN多層材のエロージョン試験を投射圧力0.4MPaで行った結果,両材ともほとんどエロージョン損傷を生じず,高い耐エロージョン性を示した.このため,投射圧力を0.8MPaに増加させて評価を行うこととした. 2. 投射圧力0.8MPaでエロージョン試験を行った結果,裸材では投射粒子径が小さくなるほど損傷が激しくなった.これに対し,CrN単層材は裸材とは逆に投射粒子径が大きくなるほどCrN層に激しい損傷を生じた.一方,多層材の損傷の激しさは裸材とCrN単層材の中間となり,中程度の粒子径の投射粒子を用いた場合にCr/CrN層の損傷が最も激しくなった.また,5g投射時では小粒子径の場合を除き,CrN単層材よりも多層材の方が膜の損傷を抑えられることがわかった. 3. 異なる膜厚のCrN単層材を用いて同様の試験を行った結果を踏まえると,切削効果の高い投射角度の浅い条件で耐エロージョン性を向上させるには,軟質層の導入と併せて最上層の硬質層も一定以上の厚さが必要であると考えられる. 4. 残留応力の測定に際して,基材と薄膜の回折線の重複問題を解決するため,低角入射法による評価法の確立を試み,一部ではあるが低角入射法によりCrN層及びCr層の各残留応力を測定できた.また,正確な残留応力評価のために実験的なX線的弾性定数の測定も試み,より精度の高い評価を行える体制を整えた.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,単層膜の方が有利な条件である浅い投射角度においても,投射される粒子径によっては多層膜のエロージョン損傷の抑制に有効であることを明らかにできた.また,多層膜にとって小粒子の衝突が不利であることを明らかにでき,その対策として,最上層のCrN層を厚くする勾配材が有望であることを示すことができた. 一方,斜め方向に荷重が負荷される際の多層膜の損傷挙動を別角度から検討するために,膜厚比の異なる多層材を用いたスクラッチ試験も行い,損傷部を広範囲にわたってイオンミリングすることで,多層膜の損傷過程の詳細な検討を行った.その結果,負荷が低い場合は上層のCrN層からき裂が発生,Cr層との界面で進展が止まるが,さらに負荷が高い場合では基材側の下層からき裂が発生し,上層のき裂と合体し,はく離に至ることを明らかにできた.またこれらのき裂発生荷重と膜厚比の関係を検討したところ,Cr層の比率が高いほど上層のき裂が生じにくく,下層からのき裂が生じやすいことを示すことができた.この結果を踏まえ,上層のCrN層を厚くした勾配材を作製したところ,勾配材は上層からも下層からもき裂が発生しづらく,膜を貫通するき裂も生じづらいことを明らかにできた. 膜の残留応力の測定についても,正確な残留応力評価のために必要なX線的弾性定数を実験的に求めることができ,より精度の高い評価を行える体制を整えた.また,一部ではあるが低角入射法によって多層膜中のCrN層及びCr層の各残留応力を測定できている.以上の進捗状況から,当初の計画通り順調に進展していると考えている.
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の方針としては,令和6年度の知見をもとに耐エロージョン性のさらなる向上を目指す.特により過酷な条件下においてもき裂進展抑制効果が発現する条件を明らかにするため,通常のエロージョン試験に用いられる多角形をした硬いアルミナ粒子を用いてCr層厚さの効果のさらに詳細な検討を行う.また,投射粒子径の影響についても引き続き検討を進める.さらに,令和6年度は装置の不具合により測定を十分に実施できなかった多層膜中の残留応力について測定を進めてエロージョン特性との関係を検討しつつ,詳細な断面観察をもとにした損傷過程及び損傷機構の解明を目指す. 以上の検討を通して,多層膜の潜在能力を効果的に引き出し,高い耐エロージョン性を有する多層膜の基本的な設計指針を構築する.
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