Project/Area Number |
23K03596
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
安田 洋平 旭川工業高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (60725696)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | ヘテロ階層組織 / パーライト / コロニー / 層状組織 / 力学特性 / 寸法効果 / 結晶塑性解析 / 転位 / 異相界面 |
Outline of Research at the Start |
SDGs達成を目指した構造用金属材料の更なる力学特性向上のため,未解決問題である「ヘテロ(不均一)な階層組織を有する金属材料における高強度・延性を創発する力学的メカニズムの解明」に挑む.これまでボトルネックとなっていた複雑な階層組織を有する材料のマルチスケール解析に対し,本研究は,ナノ・マイクロスケールの分子動力学解析から得られた異相界面に関する知見を,マクロ・メゾスケールで有用な結晶塑性解析に定式化することで解決を試みる.実例としてパーライト鋼のヘテロ階層組織に着目し,その変形解析から,各階層組織を特徴付けるパラメータが強度・延性に及ぼす影響を調査し,創発の発現メカニズムを検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
構造用金属材料の更なる力学特性向上に向けて,未解決問題である「ヘテロ階層組織を有する金属材料における高強度・延性を創発する力学的メカニズムの解明」に挑むために,本年度は,「層状のメゾ組織」,「コロニー・ブロックのマクロ組織」を含む階層組織モデルの結晶塑性解析を実施した. 解析には2つのコロニーからなるモデルを用いた.両コロニー内の層配向は引張方向に平行とし,セメンタイト/フェライト/セメンタイトの三層構造とした.結晶方位はフェライトとセメンタイトの晶癖面として報告されているBagaryatskyの配向関係を満たすものとし,片側のコロニーの結晶方位を変化させた時,力学特性に及ぼす影響の寸法効果を明らかにすることを目的とした. 結晶方位差のないモデルではフェライト層中でほぼ均一なひずみが生じた.一方,結晶方位差のあるモデルではコロニー界面近傍でひずみの集中や緩和が生じた.これは,例えば隣接コロニーのフェライト層で塑性変形が生じにくい結晶方位となると,基準となるコロニー側に塑性変形が集中し,結果として隣接するコロニー側のひずみが緩和するためであることが明らかとなった.また,この緩和の広がりには組織寸法依存性があることも明らかとなった.この時の転位分布を確認した所,転位の平均自由行程が層界面により規制されることで,界面近傍での転位の並び方に組織寸法依存性が生じ,結果として,ひずみ分布の特異性に影響したことが明らかとなった. これらの成果により,コロニー・ブロック組織の界面近傍における変形に層状組織の結晶方位と寸法効果が及ぼす影響が明らかとなり,ヘテロ階層組織を有する金属材料における高強度・高延性の発現メカニズムの解明に向けた基礎的知見が獲得できた.また,今回の解析を通じ,今後のマルチスケール解析に必要な解析プログラムやモデリングの準備もすることが出来た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,「層状のメゾ組織」,「コロニー・ブロックのマクロ組織」を含む階層組織モデルにおける力学特性が得られ,パーライト鋼のヘテロ階層組織における力学特性解明に向けた基礎的知見を獲得できた.また,今後のマルチスケール解析に必要な解析プログラムとモデリングを準備できた.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は当初の研究計画通り,コロニー界面近傍での転位吸収および転位の増殖現象をモデル化して拡張した結晶塑性解析により,コロニー・ブロック界面を含むヘテロ階層組織モデルのマルチスケール解析を実行する.本年度得られた結果および実験結果との比較検証を行い,モデル化の妥当性について検証を行う.
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