Project/Area Number |
23K03637
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18030:Design engineering-related
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
劉 陽 崇城大学, 工学部, 教授 (00759285)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 人工耳小骨 / トポロジー最適化 / 3Dプリンティング / 最適人工耳小骨 / 3Dプリンティング |
Outline of Research at the Start |
本研究では、トポロジー最適化設計手法と3Dプリンティング造形法を駆使して、中耳伝音再建に使用される軽量かつ伝音効率の最も高い人工耳小骨の直接製作をめざす。研究には、人工耳小骨の最適形態を求めるとともに、最適な取付け位置を追求する。また、明確で滑らかな境界を特定できるCADモデルの抽出手法を開発することにより、計算結果をSTLモデルに変換して3Dプリンティング造形法へ直接適用することを可能にする。
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Outline of Annual Research Achievements |
トポロジー最適化設計手法と3Dプリンティング造形法を駆使して、中耳伝音再建に使用される軽量かつ伝音効率の最も高い人工耳小骨の直接製作をめざすのは本研究の目的である。令和5年度には、高精度な中耳振動解析モデルの構築に取り組み、各靭帯や関節が中耳振動に与える影響を詳細に明らかにした。これに基づき、構築したモデルが解析結果と参考文献の実測値に近づくことができた。また、難聴患者に最適な人工耳小骨の取付け位置や軽量かつ伝音効率の高い形態を見つけるための研究にも着手した。そのために、中耳におけるアブミ骨底板の振動変位最大化問題を変分法に基づいて定式化し、設計感度関数と最適性条件の理論的な導出方法を確立し、トポロジー最適化の自動計算システムを開発した。さらに、独特な形状を持つアブミ骨を直方体の設計領域に取り替え、最適計算を用いてアブミ骨の形態再現に成功した。これにより、最適化手法の有効性を検証することができた。そして、慢性中耳炎によって耳小骨連鎖が損傷された仮想モデルに対して有限要素モデルを構築し、トポロジー最適化を行うことで、人工代替部品の最適形態を自動生成することにも成功した。人工代替部品のトポロジー最適化により、アブミ骨底板の垂直変位を維持し、高い聴力改善効果が期待できる。令和6年度以降は、この最適化計算で得られた結果を3Dプリンティング造形法へ適用可能とするための境界特定手法を確立し、研究の有効性と実用性を検証していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、高精度な中耳振動解析モデルの構築を行い、人工耳小骨の最適化問題をアブミ骨底板の振動変位最大化問題として定式化し、最適化理論を確立した。加えて、トポロジー最適化の自動計算システムの開発も順調に進んできた。それらの成果の一部は、既に国内学会の講演論文集に掲載されている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度以降は、最適化計算の結果を3Dプリンティング造形法へ適用可能とするための3次元パラメータフリー境界特定手法を確立する。具体的に、密度法に基づくトポロジー最適化のグレースケールやチェッカーボードパターンを自動アルゴリズムにより処理する上で、境界要素のトリミングプロセスを用いてジグザグな形状を緩和し、得られた形状に対して境界の平滑化を行うことで明瞭かつ平滑な境界形状を特定する。また、平滑処理の結果に対して、H1勾配法(Traction Method,力法)に基づくパラメータフリー形状最適化プロセスを導入し,軽量性の制約を満たしながら滑らかな最適境界形状を求める。そして得られた最適境界形状を、STLモデルに変換して3Dプリンターで直接製造できることを明らかにする。さらに、これまでの研究結果に基づき、健常者モデルと最適人工中耳骨を取付けた再建モデルの各周波数聴力レベルを用いてオージオグラムを作成し、手術前後に行った患者の聴力検査結果と比較することにより、本研究の有効性と実用性を検証する。
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