microscopic heat source formed by metal nanoparticle irradiated evanescent light
Project/Area Number |
23K03732
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20010:Mechanics and mechatronics-related
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
松谷 巌 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (00514465)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | エバネッセント光 / 金ナノ粒子 / プラズモン共鳴 / 液体ジェット / 金属ナノ粒子 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、液体中で金属ナノ粒子にE光を照射して励起したアブレーションの衝撃的な圧力によって液滴を噴射する技術、および液中の微小物質を拡散する技術を開発する。3次元的に位置が制御されてなおかつ関係の無い部位には非侵襲であるような、極小点の領域を熱源としたアブレーション発生技術ができれば非常に有益である。3年間で以下の2項目を実施する。 [1] 金属ナノ粒子にE光を照射したときの電界強度に関する基礎検討 [2] 金属ナノ粒子×E光による液滴の噴射および微小物質の拡散に関する検討
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Outline of Annual Research Achievements |
エバネッセント光とは媒質1-2間で光を全反射させて時に形成される、媒質2側に漏れ出す光である。我々は強力なパルスレーザを用いてE光を発生させ、水滴を飛び出させることには成功した。しかしながら水による閉じた系に対してE光を照射した結果、アブレーションとそれによる液滴の噴射を確認した。しかしながらこの実験ではパルスレーザの入射角が臨界角未満という設定ミスであり、実は油の表面で全反射した光の電界強度が2倍程度になっていたことが原因であって、E光とは関係がないことがわかった。だが逆に言えば、現状のE光の2倍程度の電界強度が実現できればアブレーションを励起できると分かったのが収穫である。そこで金属ナノ粒子にE光を掛け合わせてアブレーションを励起する取り組みを始めた。電磁界シミュレーションによって、電界強度が2倍を大きく超える5.8倍という結果が得られ、強いアブレーションを得られる見込みが得られた。そこで金ナノ粒子分散液をガラス基板上に蒸着させて均一にナノ粒子を配置できるようになった。その基板を用いて金ナノ粒子あり/なしで液体ジェット現象の発現の歌碑を検討した結果、金ナノ粒子を配置した基板によって液体ジェット現象が発現することが判明した。ハイスピードカメラによってE光を金ナノ粒子に照射したときの液体ジェット現象を観察した。この現象はプラズモン共鳴による強電界が水中内に衝撃波を発生させたことで起きた現象と考えられる。まず、金ナノ粒子が配置されているガラス-水界面にパルスレーザを照射し、E光を励起する。すると、金ナノ粒子とエバネッセント光がプラズモン共鳴を起こし、局所的な強電界を発生させる。それがアブレーションを起こすことで水中に衝撃波が発生し,衝撃波が水滴表面で反射することで水滴内に定在波を形成し、短時間で急激な圧力差が生まれ、気泡の成長・収縮を起こしたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は金ナノ粒子基板の作製において金ナノ粒子密度を均一に、かつ数密度をコントロールしながら作り分けられるようになった。金ナノ粒子分散液の塗布が1回なら5×10^7個/cm2、3回なら2×10^8個/cm2、6回なら8×10^8個/cm2となる。そして4MJのパルスレーザを照射したとき、おおよそ10^8個の金ナノ粒子があれば液体ジェット現象が発現することを把握した。 また、電磁界シミュレーションによって金ナノ粒子の個数と配列形態と向きを変えたときのE光との相互作用による電界強度の上昇を調査した。金ナノ粒子1個でもレーザを直接照射するよりE光を照射した方が電界強度は大きく向上することがわかった。また、金ナノ粒子を1, 2, 7, 19個密集させた系を回転させて、その角度による電界強度の向上を調査した。すると2個の時には入射光と一致する向きの時に電界強度が200倍まで向上した。7個の時にはナノ粒子2個が入射光電場の向きと揃う0°、60°で電界強度が1300倍、30°、90°では500倍程度となった。19個の系だと600倍程度であり、角度依存はあまり見られなかった。 ハイスピードカメラによってE光を金ナノ粒子に照射したときの液体ジェット現象を観察した。水滴が突沸する前に見られた気泡の成長・収縮について考察すると、この現象はプラズモン共鳴による強電界が水中内に衝撃波を発生させたことで起きた現象と考えられる。まず、金ナノ粒子が配置されているガラス-水界面にパルスレーザを照射し、E光を励起する。すると、金ナノ粒子とエバネッセント光がプラズモン共鳴を起こし、局所的な強電界を発生させる。それがアブレーションを起こすことで水中に衝撃波が発生し,衝撃波が水滴表面で反射することで水滴内に定在波を形成し、短時間で急激な圧力差が生まれ、気泡の成長・収縮を起こしたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
エバネッセント光と金ナノ粒子を相互作用させる極小熱源とし、水槽にためた水に対してエネルギーを与える。このとき、衝撃波が出ていることが予想されるため、ハイスピードカメラによる撮影とシュリーレン法による可視化を行う。液体ジェット現象およびナノ衝撃波の発生機構を理解する。電磁界シミュレーションソフトのCOMSOLを利用して、エバネッセント光と近接場光の相互作用に関する基礎的な研究を行う。現在、シミュレーションだけでなく実験も始めつつあるが、ガラスを破損させることなく液中のアブレーションおよび液体の噴射が確認できた。この現象をさらに詳細に分析するために、本研究計画ではハイドロフォンによる音圧の測定と、シャドウグラフ法による超音波の伝播や気泡発生の可視化を100ナノ秒オーダーで行う。さらに、衝撃圧力に関して熱力学第二法則に基づいたR. Fabbroらの理論と実験、シミュレーションによって体系化する。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)