Project/Area Number |
23K03767
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20020:Robotics and intelligent system-related
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
長津 裕己 拓殖大学, 工学部, 助教 (60804987)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 制御工学 / 力制御 / バイラテラル制御 / 知能機械システム / 知能ロボティクス |
Outline of Research at the Start |
本研究では、研究代表者らが考案する力ベース2チャンネル型バイラテラル制御に基づいて、人間からロボットに動作を教示して記録するとともに、教示された動作情報に基づいてロボットから別の人間に対して逆に動作を教示する人間-ロボット間の相互動作教示システムの実現を目指す。訓練者の習熟段階に応じて新たな動作モデルを構築したり、アップデートしたりすることで、訓練者の上達度合いに応じてシステムを最適化する。このように、人間(教師)からロボットへ、ロボットから人間(訓練者)へ、さらに人間(上達した訓練者)からロボットへと動作情報を継承してゆくことで、人間とロボットが共進化してゆくシステムの実現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、力ベース2チャンネル型バイラテラル制御(FBC)に基づいて、人間からロボットに動作を教示して記録するとともに、教示された動作情報に基づいてロボットから別の人間に対して逆に動作を教示する人間-ロボット間の相互動作教示システムの実現を目指す。 本年度はまずFBCシステムの動作教示システムへの拡張のための基盤技術と理論の構築に取り組んだ。研究代表者らがこれまでに提案している力情報のみを伝送する力ベースマルチラテラル制御(FMC)により、教師と訓練者など複数の操作者により複数のロボット(マスタロボット:MS)を操作することで、教師があたかも“手づたえ”により訓練者に力加減を教えながら、ロボット(スレーブロボット:SS)が実際に対象環境に対して作業を行うことで、協調動作の情報を伝送・抽出・記録することが可能となる。しかし、本制御系を構築するための一般的な理論的枠組みは与えらえれていなかった。これに対し、力制御のタスクと位置制御のタスクを表す座標変換行列の逆行列を用いれば、FMCだけでなく、位置情報を伝送することがない様々な力覚情報伝送制御系を設計することが可能であることを見出すことに成功した。さらに、本研究の基盤技術として、高次外乱オブザーバを用いた力制御により、位置制御系を介すことなく2チャンネル型FBCを実現することができた。本手法により位置情報フィードバックも必要とならないため、FBCを純粋な力制御としてとらえることが可能となる。これらは多自由度ロボットシステムを用いた実験により検証を行っている。さらに、未知の対象環境に対する汎化能力の向上を目的として、深層学習モデルの一つであるトランスフォーマモデルを用いた力情報のみの学習による動作生成について検討を行った。FBCに基づく制御系を構成することにより、予測された力情報を正確に生成することが可能となると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画に基づき、動作教示システムとして、力ベース2チャンネル型バイラテラル制御(FBC)を拡張した力ベースマルチラテラル制御(FMC)システムを構築するための一般的な理論的枠組みを導出することができた。本枠組みにより、教師から訓練者への“手づたえ”の度合を位置と力情報のスケーリングファクタとして実装することが可能となる。また、本研究の新たな基盤技術となり得る、高次外乱オブザーバを用いた純粋な力制御に基づく2チャンネル型FBCシステムを実現することに成功しており、本手法を用いることで、本研究をさらに進展させることが見込まれる。また、これらの理論は一般的な多自由度ロボットシステムの作業空間において構築され、実際に多自由度ロボット(2リンクマニピュレータ)を用いた実験により検証することができている。 力ベースFMCを含む、アドミッタンス制御に基づく力覚伝送・フィードバック制御系の一般的な枠組みについて研究をまとめた内容を、国際シンポジウムIEEJ the 10th IEEJ international workshop on Sensing, Actuation, Motion Control, and Optimization (SAMCON2024)において発表し、Outstanding Paper Awardを受賞することができた。また、高次外乱オブザーバに基づくFBCシステムについて研究をまとめた内容は、学術論文誌IEEE Accessに掲載されている。 なお、トランスフォーマモデルを用いた力情報のみの学習とFBCに基づく制御系による動作生成手法については、今後、IEEEの国際学術会議等への投稿を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、力ベース2ch型バイラテラル制御に基づくロボットと人間による動作の相互教示システムの実現に向けて研究を遂行する。力情報のみの学習とFBCに基づく制御系による動作生成手法の性能を向上する方法について検証を進める。また、本手法とFMCを統合することで、動作を教示するための仮想教師モデルの構築を目指す。また、本仮想教師モデルや、これまでの研究で考案している動作再現のための補償器による任意のサーボ剛性の調整により、力情報のみによる“手伝え”による動作訓練システムの実現方法について検討を行う。本システムの仮想教師モデルから訓練者への“手づたえ”の度合を位置と力情報のスケーリングファクタを調整したり、サーボ剛性を調整したりすることで、訓練者の習熟度に応じて仮想教師モデルをアップデートしてゆくことについても検討を進める。
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