複数の移動度・拡散係数測定手法によるクラスターイオン・分子間の衝突断面積の推定
Project/Area Number |
23K03828
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
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Research Institution | Tomakomai National College of Technology |
Principal Investigator |
奥山 由 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (50761699)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 負イオン / 移動度 / パルスタウンゼント法 / イオン・分子反応 / 反応速度定数 / 大気圧プラズマ / 酸素 / イオン移動度 / 衝突断面積 |
Outline of Research at the Start |
近年,大気圧プラズマの医療,環境,農業をはじめとした幅広い産業分野における応用研究が進められているが,その基礎データとなる研究は大気圧下で得られたものではなく低いガス圧力(真空中)で得られたものが多い。本研究では,大気圧下でそれらの基礎データ収集を目指して研究を進める。本研究では,よりミクロな視点でイオン輸送理論を説明できる衝突断面積に着目し,これまでに実験的に観測することができなかったクラスターイオンについて,新たな手法として複数の移動度および拡散係数測定法を用いて幅広いガス圧力下でデータ収集し,シミュレーション結果とのフィッティングやJWKB近似などによって,その断面積の推定に挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
大気圧プラズマの応用研究は,医療,農業,環境などの幅広い分野で急速に発展しており,今後の工学の発展には欠かせないものである。それらの基礎データについては,電子スオーム法による電子衝突断面積推定や定常タウンゼント法による電離係数決定などによる電子・原子分子間の衝突現象の解明および基礎データ収集などがあげられるが,これらの実験は主に低ガス圧力下で行われてきた。それに対し,大気圧下ではイオンの観測が主となり,そこでは移動度,拡散係数などのイオン輸送係数が重要となる。 本研究では「低ガス圧力下から高ガス圧力下までの幅広い範囲において,これまで行ってきたHPIDT法と共に新たにパルスタウンゼント法を導入し,幅広い圧力下における移動度・拡散係数・反応速度定数の測定を行いクラスターイオン・分子間の衝突断面積の推定を行う」ことを目的として研究を進めている。そのため,拡散係数の測定も可能なパルスタウンゼント法を導入し,世界的に見ても最大と言える幅広い圧力下(0.01~3気圧程度)において測定可能な移動度装置への改良を行うとともに実験結果をフィッティングすることによって衝突断面積を推定することを目指す。 2023年度については、従来の移動度測定装置で使用していたイオン源となる自作のパルス紫外光照射装置を窒素レーザーへと改修することによって、①パルスタウンゼント法を用いた移動度および拡散係数の測定を行うと共に②シミュレーションの拡張を行っていく予定であった。その結果、実験装置の窒素レーザーへの改修は行えたが、パルスタウンゼント法によるイオン検出のための電流増幅が不十分であることが判明し、現在電流増幅アンプの設計を行っている所である。シミュレーションについては、従来よりも短ギャップでの結果を得ることができ、実験では見ることが難しいイオンドリフトのより詳細なデータを得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度においては,①パルスタウンゼント法を用いた移動度および拡散係数の測定および②シミュレーションの拡張を行う予定であり,①についてはイオン源を従来までの自作のパルス紫外光から窒素レーザーへの改修を問題なく行うことができ,測定に必要な電流アンプの取り付けを残すのみである。②については,従来よりも詳細なデータを得ることができ,複数の学会で成果を発表している状況である。 ①の電流増幅アンプの取り付けについてはすぐに実施できる予定であるので,(2)おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度については,パルスタウンゼント法による移動度測定のための電流増幅アンプの設置を行い次第,改修した装置で移動度および拡散係数の測定を行っていくと共に,得られた実験結果とシミュレーションとのフィッティングを行っていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)