電流と磁気の相互補完による電磁非破壊検査法の適用範囲拡大と信頼性向上の検討
Project/Area Number |
23K03874
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
福岡 克弘 大阪産業大学, 工学部, 教授 (40512778)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 電磁非破壊検査 / 磁粉探傷試験 / 渦電流探傷試験 / 定量的評価 / データベース化 / 信頼性向上 / 非破壊検査 / 高感度化 |
Outline of Research at the Start |
航空機、自動車、鉄道などの交通機械、プラントや橋梁などの構造物を安心・安全に運用するには、被検査対象に適合した非破壊検査の適切な実施が必須である。これらの、被検査対象においては立体的で複雑な形状部が存在するのが一般的である。しかし、複雑形状部では、検査装置を対象箇所に適合させて設置することが物理的に困難な場合が多く、また、局所的な応力集中による傷の発生率も高い。そのため、複雑形状部(探傷困難箇所)を十分な精度で検査し、健全性を保証することは非常に重要である。本研究は、探傷困難箇所(新素材も含む)における探傷精度の向上と検証、探傷結果からの傷形状(長さ、幅、深さ)の定量的評価について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
航空機、自動車、鉄道などの交通機械、プラントや橋梁などの構造物を安心・安全に運用するには、被検査対象に適合した非破壊検査の適切な実施が必須である。これらにおいては立体的で複雑な形状部が存在するのが一般的である。しかし、複雑形状部では、検査装置を対象箇所に適合させて設置することが困難な場合が多く、局所的な応力集中による傷の発生率も高い。そこで本研究では、1. 探傷困難箇所における探傷精度の向上と検証と、2. 探傷結果からの傷形状の定量的評価を目的として、以下の3項目の研究内容に取り組んだ。 1. 複雑形状部での高感度磁粉探傷試験法の開発と品質保証評価の検討…磁化が不足する部分に、磁化方向と直交する方向に強制電流を試験体へ通電することにより、局所的な磁化の強化補償を検討した。さらに、被検査体の形状、材質、印加磁界の強さと方向、傷の形状を各種パラメータとしてデータベース化し、探傷実行の可否判断と探傷信頼度を明らかにすることを検討した。 2. 複雑形状の鉄鋼材における高感度渦電流探傷法の開発と現象解明…交流磁気飽和磁化による渦電流探傷において、交流磁気飽和磁化と渦電流探傷の同期条件が不適切な場合、S/N比が極端に低下する。さらに、傷・渦電流・磁化の各相対方向および渦電流と磁気飽和磁化の強度によって、探傷信号が大きく変化する。これらの現象を数値解析と実験により究明し、適切な試験条件を決定する手法を検討した。 3. 磁粉探傷試験および渦電流探傷試験における定量的評価手法の開発…磁粉探傷試験における傷形状の定量的評価手法の産業界での実用化を進めるため、複雑形状部への拡張、傷形状と付着磁粉量および漏洩磁束密度の関係をデータベース化することを試みた。渦電流探傷試験での定量的評価においては、傷形状をパラメータにした数値解析モデルにより予測探傷信号をデータベース化し、傷形状を推定することを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、「1. 複雑形状部での高感度磁粉探傷試験法の開発と品質保証評価の検討」および「3. 磁粉探傷試験および渦電流探傷試験における定量的評価手法の開発」を中心として研究を実施した。 「1. 複雑形状部での高感度磁粉探傷試験法の開発と品質保証評価の検討」においては、これまでの小型形状の試験対象物を対象にした3次元回転磁界を用いた磁粉探傷試験からの発展として、複雑形状部を有する大型の試験対象物に適用可能な3次元回転磁界の発生を検討した。2台の磁化器を90°の角度を付けて配置し、それに近接して試験対象物を設置することで、大型の試験対象物への磁化を可能とした。本年度は、先行研究における2台の磁化器を直線配置した場合との磁化分布結果を比較評価するため、先行研究と同じ材質・形状である小型の凹凸部を有する試験体を用いて磁化特性を評価した。有限要素法を用いた数値解析により評価した結果、2台の磁化器を90°の角度で配置し、片方の磁化器の電流位相を変化させることにより、凹凸部を有する試験体の各位置において、全方向の磁化が得られることを確認した。 「3. 磁粉探傷試験および渦電流探傷試験における定量的評価手法の開発」においては、磁粉探傷試験の定量的評価手法の開発を実施した。先行研究にて提案している磁粉付着量(磁粉幅および高さ)を用いた傷形状の定量的評価を一般化するため、傷と磁化の相対方向が変化した場合における定量的評価手法の開発に取り組んだ。傷に対する磁化の角度を変えた探傷結果をデータベース化して、評価に使用すべきデータベースの選択手法を提案することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に実施した「1. 複雑形状部での高感度磁粉探傷試験法の開発と品質保証評価の検討」において、2台の磁化器を90°の角度を付けて配置することにより、十分な強度の磁化が得られない方向の存在が確認された。それを改善するため、試験面に対する磁界の印加角度を変更することを検討する。これにより、全方向磁化の均一化を試みる。また、実機磁化器を用いて90°配置における磁粉探傷試験を実施し、全方向傷の検出性能を評価することで、本磁化システムの健全性を確認する予定である。さらに、本研究の最終目標である複雑形状部を有する大型試験対象物の本磁化方法による均一な全方向磁化に関して検討する。 「2. 複雑形状の鉄鋼材における高感度渦電流探傷法の開発と現象解明」および「3. 磁粉探傷試験および渦電流探傷試験における定量的評価手法の開発」における渦電流探傷試験の定量的評価手法の開発についても新たに検討していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)