Development of SERS substrate made of melt-blown non-woven fabric and its application to odor sensors
Project/Area Number |
23K03881
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田原 祐助 信州大学, 学術研究院繊維学系, 助教 (80585927)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 表面増強ラマン散乱 / 化学センサ / メルトブロー不織布 / 匂い / 不織布 / 3次元構造 |
Outline of Research at the Start |
不織布製造技術であるメルトブロー法を用い,低コストで高感度分析を可能とする新規不織布SERS基板の開発を行い,食品の匂いを客観的に評価する匂いセンサへの応用を行う.匂い分子のセンシング部位には,SERSを引き起こすホットスポット形成の基礎となる金属ナノ粒子をかさ高い3D構造を持つ不織布に高密度に修飾させる.銀ナノ粒子の修飾は無電解めっきの他に物理・化学吸着を検討し,匂い分子を吸着させた後に不織布を圧縮することによってラマン測定範囲内へのホットスポットを高密度化させ SERS強度の増幅を行う.そして,匂い物質をppbオーダーで検知可能なSERS基板を実現し,実サンプルの匂い評価から新規匂いセンサの実現性を示す.
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度は,ポリプロピレン製とナイロン製のメルトブロー不織布を用いた表面増強ラマン散乱(SERS)基板の試作をおこない,SERS基板としての基礎的な特性評価と匂いに対する応答関して基礎的な評価をおこなった。SERS基板作製のための貴金属粒子には,硝酸銀水溶液をヒドロキシルアミンで還元させて作製したAgナノコロイド溶液を用い,Ag粒子を不織布に吸着させることでSERS基板を作製した。Agナノコロイドは,ゼータ電位計で粒子径を確認した。作製した不織布製SERS基板は,走査型プローブ顕微鏡 (SPM),SEM,接触角測定で評価し,メルトブロー不織布の形状やAg粒子の分布,表面観察をおこない物理的な特徴を評価した。揮発性有機化合物 (VOC)として,ベンズアルデヒド,フェニチルエチルアミンを匂い分子として用い,ヘッドスペース法で揮発した匂い分子のラマン測定をおこなった。ベンズアルデヒド,フェニチルエチルアミン共に,それぞれに準じたラマンスペクトルを確認することができ,メルトブロー不織布のSERS基板への有用性を示すことができた。また,不織布の材質によってラマン散乱強度の差異に違いがみられ,測定対象物と不織布の物理化学的特徴によって吸着量に影響を及ぼすと考えられ,基板材質を選ぶことで分子のふるい分けに期待できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は,SERS基板の作製方法とVOCのSERS応答を得ることを目指した。作製方法を確立することができたため,次年度進める予定の応答感度等の最適化に関してのパラメータの抽出ができた。さらに,VOC応答を検出することができ,作製したSERS基板の匂いセンサへの応用が可能であることが示された。以上より,おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,測定対象としてベンズアルデヒド,フェネチルエチルアミンをヘッドスペース法にて不織布SERS基板に吸着させてSERS応答の計測をおこなった。次年度は,目的とするVOC測定濃度を発生させる実験系の確立をおこなう。具体的には,窒素ガスによるVOCのバブリングと,マスフローコントローラーを用いて目的濃度を発せさせる実験系を作り,低濃度測定の実験をおこなう。ラマン散乱の測定は,VOCのガスをSERS基板に流しながら測定することで測定の即時性を進める。また,不織布の形状やメルトブローだけでなくエレクトロスピニングによる不織布も検討し,高感度検出が可能なSERS基板を作製する。最終的には,食品サンプルといった実サンプルの匂い検出を目指しており,実験に用いるVOCガスの種類を増やし,測定の最適化を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)