Project/Area Number |
23K03925
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21050:Electric and electronic materials-related
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
蓮池 紀幸 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 助教 (40452370)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | グレーティング / 熱ナノインプリント / ITO / 表面プラズモン共鳴 / 赤外線吸収体 / グレーティングカプラー |
Outline of Research at the Start |
現代技術ではエネルギー変換ロスで多くの低温廃熱が排出される。これは赤外線波長域の電磁波を大気中に放出する熱源となる。 この赤外線波長域の電磁波を有効活用することは効率的なエネルギー活用の実現にとって重要な課題である。 本研究で提案する伝搬型表面プラズモンの熱損失を利用した熱電変換素子は、赤外線から効率的に電気エネルギーを再創生することを可能にする。 本素子の動作原理に基づく熱電変換素子は未だ実現されておらず、本研究成果は新たな赤外線エネルギーハーベスト素子研究の端緒を開く。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では表面プラズモン共鳴を利用した赤外線熱電変換素子の機能実証を目的としている。本素子は強誘電体上にSn:In2O3(ITO)のグレーティング構造を有し、入射する赤外線により励起された表面プラズモンの熱損失と強誘電体の焦電効果を利用して外部起電力を得る構造となっている。本素子構造を実現する上で、(i) 熱ナノインプリント法と反応性イオンエッチング法を組み合わせたグレーティング下地構造の作製、(ii) 反応性プラズマ堆積法(RPD)によるITO膜の低温成膜、(iii) 強誘電体基板上への素子構造の形成、の3点が目的である。 初年度はグレーティング下地構造を形成するためのプロセス条件の検討と、それと並行してITO膜のRPD低温成膜を実施した。前者ではプロセス条件の最適化には至らなかったが、所望の構造を得るための指針を見出すことが出来た。後者のRPDの低温成膜については、当初の想定通り高品質なITO膜が低温で成膜可能であることが確認され、グレーティング構造をインプリントしたポリマーフィルム上にも成膜が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は3カ年計画であり、初年度は本研究の基盤技術となるグレーティング構造の作製条件の検討とITO膜の低温形成の2つ課題を並行して取り組んだ。後者は当初の計画通り順調に進み、本研究で提案する形成プロセスに適用できることが確認された。一方で、前者では熱ナノインプリントで使用する材料の選定(PMMA樹脂溶媒)や形成プロセスの条件出しに時間を要し、初年度末の時点でグレーティング構造の形成が可能であることは確認できたが、引き続き条件の最適化を進める必要があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に見出したグレーティング構造の形成プロセス条件を主軸にして、引き続き条件の最適化を進めていく。特に、次年度は初年度の研究を実施した上で課題として残った「格子凹部に残留する樹脂膜の低減」に着目し、プロセス条件の最適化を行い所望のグレーティング下地構造を実現し、得られた構造体にITO膜を形成することでITOグレーティング構造を作製する。続いて、本プロセスを強誘電体基板上にも適用し、本研究で提案する素子構造のプロトタイプを作製する予定である。
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