Project/Area Number |
23K03979
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21060:Electron device and electronic equipment-related
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
井上 真澄 名城大学, 理工学部, 教授 (00203258)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 超伝導デバイス / ナノクライオトロン / ボルテックス / スイッチング / シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
超伝導ナノ構造を有するナノクライオトロンにおいて,ボルテックス挙動と温度変化を組み合わせたスイッチングの可能性をシミュレーションにより検討し,実現のための提言を行うことを目指す。そのために,サブテーマとして,(1)電流合流部付近の構造におけるシミュレーション,(2)チャネル部を拡張したモデルでのシミュレーション,(3)回路への接続を考慮した形状での検討,(4)有限要素法によるコーディング,の4つを設け,最終的に(5)研究の総括を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,超伝導ナノ構造を有するナノクライオトロンにおいて,ボルテックス挙動と温度変化を組み合わせたスイッチングの可能性をシミュレーションにより検討し,実現のための提言を行うことを目指す。令和5年度においては,ナノクライオトロンの構造のうち,動作の基本となる現象が起こる,ゲート(チョーク)とチャネルの接続部に注目し,第1段階としてまずこの部分でのシミュレーションを行った。形状としては,ゲート電流とバイアス電流の合流部付近のT字型の形状を用いた。チャネルに一定のバイアス電流が流れている状態でゲート電流をパルス的に与えることにより,スイッチング時の温度分布,オーダパラメータ分布,電流分布,磁場分布などのパラメータ分布とその時間変化を計算し,可視化することができた。ボルテックスが発生する条件でのシミュレーションにおいて,ボルテックスの発生・走行の様子を確認することができた。バイアス電流とゲート電流の合流により超伝導が壊れてスイッチングする際にチャネル両端に発生する電圧の時間変化も求めることができた。一方で,ボルテックスが発生・走行することで発生する電圧は現在のシミュレーション条件ではかなり小さい。これは,バイアス電流で超伝導が壊れないようにするために現状ではかなり小さなバイアス電流に設定しているためと考えられ,熱伝導に関するパラメータの設定を今後検討する必要がある。 シミュレーションの形状をT字型から実際のデバイス形状に近づけてゲート付近でチャネルをくびらせた構造にすることも試みた。形状としては簡単で,シミュレーションの範囲もまだ限定されているものの,シミュレーションが可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画において令和5年度に実施する予定であった電流合流部付近の構造におけるシミュレーションについては基本的にほぼ実行でき,問題点を抽出することにより改善の方向性が決まっているので,順調な進捗と考えられる。令和5~6年度に実施する予定であったチャネル部を拡張したモデルでのシミュレーションについては,基礎的な部分を実行する事ができ,令和5年度分の進捗として妥当と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度に得られた知見を踏まえて,当初の計画に従って令和6年度以降の研究を進める。学会発表は令和5年度内に行ってはいないものの,令和6年度開催の国際会議での発表申し込みは既にしており,進捗に応じて順次成果を発表していく。
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