Project/Area Number |
23K03996
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22010:Civil engineering material, execution and construction management-related
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
石川 靖晃 名城大学, 理工学部, 教授 (00257651)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | PC鋼材の緊張力 / 摩擦係数 / セット時の応力緩和 / 抜け出し量 / 初期ひずみ法 / PCケーブル / 摩擦力 / 緊張管理 |
Outline of Research at the Start |
特異な形状を有するPC構造に対しては、緊張管理において従来の考え方をそのまま適用することは困難であるばかりか、荷重作用時に想定されるひび割れ幅を含めたひび割れ状況を、合理的に評価することは不可能であった。本研究では、任意のPCケーブル配置を有するPC構造に対して緊張解析および耐荷力解析を一貫的に実施可能な3DFEM解析手法を確立させ、緊張時のプレストレスのみならず、荷重作用時のひび割れ進展状況やひび割れ幅についても追跡できる数値シミュレータを開発することを目的とする。目的が達成されれば、特異な形態を有するPC構造の緊張管理や耐荷性能予測の一層の精度向上が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度においては、PC鋼材配置を大きく変化させたPC試験体の緊張実験を実施した。PC鋼材配置を180°,90°と大きく湾曲させて配置した板試験体を製作し、摩擦係数に着目しつつ、コンクリートのひずみおよび端部緊張力,PC鋼材の抜け出し量を測定した。加えて任意のPC鋼材配置でコンクリートの抜け出し量とコンクリートの変形を考慮できる3次元FEM緊張解析手法を用いて試験体で計測した測定値と解析値を比較し、摩擦係数の推定ならびに解析方法の検証を行うことを試みた。コンクリートのひずみ、両端緊張力、鋼材の抜け出し量について実験結果と解析値を比較した結果、摩擦係数μは概ね0.05~0.10に推定された。本結果から一般的に設計値として用いられるμ=0.30よりも小さい値であることが示された。摩擦係数を推定することで,その値に応じたPC鋼材配置に変更でき、より合理的な設計につながる可能性があると考えられる。摩擦係数の直接的に推定する方法を確立するために今後もデータを蓄積することが有効であると考えられる。 さらには、従来の緊張解析手法である初期ひずみ法の信頼性に関する検討についても実施した。その結果、初期ひずみ法では、PC鋼材とコンクリートの相対的な剛性の違いが、プレストレス計算値に大きく影響を及ぼすことが確認された。一方で上記の解析手法においてはこのような剛性の違いに依らないことは従前から示されている。 上記の成果をシンポジウム論文や口頭発表として、現在取りまとめ中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PC鋼材を大きく湾曲させた試験体を作製し、PC緊張ならびにセット時における緊張力、抜け出し量、コンクリートひずみを計測した。その結果に基づき摩擦係数の推定を行うことができた。このことは、当初の研究計画に概ね整合している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題として、180°試験体でセット完了後に固定側緊張力の増加が見られた。本現象の原因については、弾性変形の影響や、PC鋼材の不動点が移動したことなどの原因が考えられるが、今後理論モデルの改良を含めた十分な検討が必要であると考える。 加えて、今回の実験ではできなかった複数のPC鋼材を有する試験体を製作し、PC緊張を順次行ったときの基本的挙動についても把握を試みたい。
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