Project/Area Number |
23K04083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22050:Civil engineering plan and transportation engineering-related
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
神山 藍 東洋大学, 理工学部, 准教授 (00598112)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 限界風景 / 気象 / 実用 / 美的 / 風景 / 芸術 / 能登 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、風景(Landscape)が有する美的価値への傾斜が、風景に潜在する他の価値を発見する際の融通自在性の抵抗となることがあり、風景を発見することへの限界となることがあるという論点に立脚し、従来の上層の文化を基軸とする芸術的美的価値基準を見直し、これまで見過ごされてきた基層の文化を主体とする実用の風景を敷衍し、これを「限界風景論」として位置づけ、研究基盤の新構築を目指すことを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、風景(Landscape)が有する美的価値への傾斜が、風景に潜在する他の価値を発 見する際の融通自在性の抵抗となることがあり、風景を発見することへの限界となることがあるという論点に立脚し、従来の上層の文化を基軸とする芸術的美的価値基準を見直し、これまで見過ごされてきた基層の文化を主体とする実用の風景を敷衍し、これを「限界風景論」として位置づけ、研究基盤の新構築を目指すことを目的とする。 本年度は、能登半島を対象に、郷土資料から土地の気候、気象、地味、地形から漁民の捉える風景を明らかにし、その視覚化を試みた。土地の気候、気象については、気象辞典、天気俚諺、観天望気に加え、地方の郷土資料の収集から風景語を明らかにし、地域ごとの呼び名や地方名の整理を行った。 気象については、風、雲、星に着目し、これに関する地方言葉を探った。風景語を視覚的に明らかにするための実景撮影については、能登半島地震により、計画を変更し、次年度に予定する。星については、風景語としての星の名を採取し、任意の地点における任意の時刻の星空をシミュレーションするソフトウェアStellaTheaterを使用し、星の位置、見え方、運行を視覚化を試みた。 地味については、『日本歴史地名大系』『民俗学辞典』『日本農書全集』『海の生活史』『分類漁村語彙集』『全国方言辞典』『日本民謡辞典』『民謡覚書』などの郷土資料、方言資料、民謡集に加え郷土資料により、漁民の目線で捉える海の風景を整理した。地形は風景を捉える際の目印となる。『日本歴史地名大系』『海事史料叢書』などに記載される地方名を参考に、微地形を整理した。地形解析には、国土地理院発行の基盤地図情報の数値標高モデルおよびジオイド・モデルデータ(海底地形)上に漁港、漁場、漁村および海図や航路図など相互分析を行うためのプラットフォーム作成を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、能登半島を主な研究対象地としている。2024年1月1日に発生した能登半島地震により、現地調査およびヒアリング調査などに遅れが生じた。とりわけ、3月に予定していた現地調査などについては、計画の変更をせざるを得ない状況にあり、地震被害状況および復旧状況により、次年度以降に研究調査の再開を計画中である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、引き続き、本年度の未整理部を確認しつつ、研究を進める。研究対象地である能登半島においてヒアリング調査による資料収集を行う予定であったが、当初予定していた漁業・航海については漁業協同組合(石川県漁業協同組合珠洲支所、宇出津定置網漁業組合、八重山漁業協同組合)の協力を得て、地元漁師および船乗りへのヒアリング調査に関しては、2024年1月1日の能登半島地震により、漁業活動等に甚大な影響が発生しているため、具体的な方法および時期等については、検討中である。
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