Development and application of diamagnetic magnetic levitation devices using permanent magnets
Project/Area Number |
23K04697
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 32020:Functional solid state chemistry-related
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
池添 泰弘 日本工業大学, 基幹工学部, 教授 (70334315)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 磁気浮上 / 永久磁石 / 反磁性 / 液体 / 結晶化 / 単結晶育成 / 再結晶 / 過飽和 / 反磁性物質 / 磁場分布シミュレーション / 表面張力 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、反磁性物体が磁場から受ける反発力を利用した反磁性浮上技術を開発する。一般的には反磁性磁気浮上は世界有数の超強力磁石が必要と考えられており、一般企業や大学の研究者が実験をする機会はほとんどない。しかし、最近、詳細な磁場分布計算により、市販の永久磁石でも水やガラスなどの磁気浮上が可能であることがわかってきた。永久磁石で物体を浮かす技術を確立できれば、従来宇宙実験棟内で行われていたような実験が、安価に誰にでも実施出来るようになり、液体から固体まで、且つ生体材料から無機固体材料まで、また基礎的な自然科学から実用的なコロイド・界面化学の領域まで、非常に広い範囲の応用展開が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、磁場分布シミュレーション技術を駆使して、市販の永久磁石でも磁気浮上が可能となる技術を開発し、地球上の最大の磁石を用いても磁気浮上させるのは困難と考えられる無機固体材料の磁気浮上をも実現させる装置を開発すること、また、その技術を用いて液体の表面張力を測定する装置を開発することを目的としている。前者は、磁石の配置を工夫することで、世界有数の超強力磁石でも発生させることが困難な強磁気力場を発生させることに成功し、実験で証明することができた。また、後者は、世界的な半導体不足によって主要部品の1つであるレーザーの納品が大幅に遅れ、装置開発も若干遅くなりそうだが、その反面、前者の磁気浮上装置開発と実験に労力を費やしたので、研究が予想を超えて大きく前進した。例えば、磁気浮上状態にある液体の表面張力の測定においては、水やエタノールのような純物質だけでなく、様々な濃度の溶質を含む水溶液の表面張力の測定、あるいは、過冷却や過飽和状態といった、通常の状態は異なる状態にある液体の表面張力の測定も含まれているが、今年度の実験では、磁気浮上状態にある過飽和の無機塩の水溶液から、瞬間的に結晶が成長する現象、あるいは、1つの液滴から1つの単結晶が成長する現象などが観測されるまでに至った。また、その研究成果について、2023年11月に開催された日本磁気科学会年会において、研究室の大学院修士2年生の学生がポスター発表し、ポスター賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、主に(1)磁気浮上装置の開発、(2)作製した磁気浮上装置の液体の表面張力測定装置への応用、の二つを柱としている。(1)については、シミュレーションソフトを用いて、磁石のサイズや配置と磁気力の関係を調べ、磁気力を大きくするための条件を突き止め、現在地球上に存在する磁石では不可能と考えられるような密度の高い材料でも磁気浮上状態が可能となるような条件を見出すことに成功した。その結果、地球上の最大の磁石を用いても磁気浮上させるのは困難と考えられる無機固体材料の磁気浮上をも実現させることに成功した。また、この装置を作るにあたって、様々な磁石、および磁石配置でのシミュレーションを実施し、液体を磁気浮上させる装置も完成させた。この装置にレーザーを導入して表面張力を測定する装置を開発する予定だったが、本件については、世界的な半導体不足によって主要部品の1つであるレーザーの納品が大幅に遅れ、装置開発が若干遅くなった。しかし、その反面、前者の磁気浮上装置を用いた実験を非常に広範囲に行った結果、研究が予想を超えて大きく前進した。特に、概要にも述べたように、磁気浮上状態にある過飽和の無機塩の水溶液から、瞬間的に結晶が成長する現象、あるいは、1つの液滴から1つの単結晶が成長する現象などは、これまで誰も観測したことのないような現象が見られており、非常に興味深い結果である。将来的には単結晶育成装置に応用できると考えられ、現在のところ、表面張力測定装置の開発と同時進行の形で研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
上の進捗状況でも述べたように、本研究は、磁気浮上装置の開発と、それを用いた液体の表面張力測定装置の開発のような、磁気浮上の応用技術の開発の2点を目的としている。表面張力の装置は、磁気浮上装置とレーザーを含む光学系を組み合わせた装置となる。磁気浮上装置の開発については、初年度に磁場分布のシミュレーションを実施し、それをもとに磁気浮上装置を開発し、初年度後半から2年目以降にかけて試料を用いた実験に時間を費やすことを想定していたが、現在、この装置はほぼ完成し、2年目に予定されていた磁気浮上実験も予想以上に速いテンポで進んでいるので、2年目も現在のペースで実験を進め、論文投稿に時間を費やす予定である。表面張力装置の開発については、背景のところでも述べたように、レーザーの納品が遅れ、その分、前者の研究が進んだような形となったが、現在ではレーザー装置も納品され、装置の開発も進行中であるので、本年度中の完成を目指している。また、これらの装置開発と同時に、新しい研究テーマ(磁気浮上状態を利用した単結晶育成)の種となりそうな実験結果が得られたので、今後、この研究のさらなる展開を考えた予備実験を実施していく。3年目は、いずれの実験についても、論文投稿のための最終的な実験を実施するとともに、これらの研究の次の展開の可能性を探りつつ、継続的に研究を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)