Project/Area Number |
23K05140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
三枝 敬明 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (40289624)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 難消化性オリゴ糖 / プレバイオティクス / セルロース / セルラーゼ / β-グルコシダーゼ / セロビオース / グルコース / 微生物酵素 / 食品素材 / 食物繊維 / 機能性 |
Outline of Research at the Start |
申請者は規格外という理由で廃棄される青果を貴重な植物資源として捉え、各々の貴重な機能性成分を保持させた状態で、微生物酵素によりセルロース成分のみをプレバイオティクス効果を有する難消化性オリゴ糖に変換し、様々な加工食品の素材あるいは特定の疾病を有する人へのサプリメントとして活用することを目的として研究を進めている。本研究では音響製麹という申請者がこれまで提案してきた新しい技術により、難消化性オリゴ糖生成に特化した麹菌酵素の生産方法を確立する。更にこの酵素を利用して、セルロースから難消化性オリゴ糖であるセロビオースとフラクトオリゴ糖を同時に生成する基本技術を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度から2024年度にかけて、セルロースからセロビオースを効率よく生産する技術を構築することを目的に研究を進めている。2023年度は、麹菌に音響ストレスを与えることで特殊な麹菌酵素を手に入れることとその酵素を利用してセルロースからセロビオースを生成する工程とセロビオースからグルコースを生成する工程を各々コントロールすることで効率よくセロビオースを生成する技術の構築を目指して研究を遂行した(現在進行中)。セロビオースは難消化性オリゴ糖であり、腸内環境を整える効果を有すことからセルロースを含む植物すべてが原料として考えられる。更に植物由来の既存の機能性も有することから、これまでに無い新規な機能性甘味料(食品素材)が多くの植物から製造できると期待している。更に2023年度は、セルロースから効率よくグルコースに完全分解(完全糖化)できる条件を明らかにすることについても研究を行った。完全糖化の研究に関しては、市販セルロース(アビセル)と凍結乾燥したトマト粉末を基質として市販セルラーゼ(アクレモセルラーゼKM、スクラーゼC,X)を用いて行い、概ね完全糖化条件を明らかにすることができた。研究成果については学会発表と論文投稿で公開することができた(学会発表4回;日本生物工学会大会・日本農芸化学会大会、英文論文投稿3報;African Journal of Biochemistry Research, African Jouranal of Biotechnology)。2024年度は従来の目的であるセルロースから効率よくセロビオースを生産できる技術の構築を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度までに市販セルラーゼ(アビセル)と凍結乾燥トマトを基質として市販酵素(アクレモセルラーゼKM、スクラーゼC,X)による完全糖化条件を明らかにした。その研究の中で完全糖化できない条件、すなわちオリゴ糖(セロビオース)を効率よく生成できる条件も確認することができた。また2023年度から2024年度にかけては、上記の研究と同時に音響ストレスにより、セルロースから効率よくセロビオースを生産できる酵素生産技術の確立とこの酵素を利用した効率良いセロビオース製造技術の構築を進めている。2024年度は大学院生と新卒業研究生も研究メンバーに加わり、網羅的な研究が可能であり、セロビオース生産に適した麹菌酵素生産技術の確立が飛躍的に進むと期待しており、かつセロビオース生産技術も構築できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
難消化性オリゴ糖、特に「セロビオース」の最適製造条件を構築する。可聴領域の周波数の音響ストレスを与えた麹菌種麹(黄麹と白麹)を用いて、米麹、ふすま麹、液体培養により酵素を生産させる。周波数に依存して、生成酵素バランスがバラエティに富んでおり、その中から「セロビオース」製造に適した音響製麹条件を絞り込む。液体培養に関しては、科研費の申請時に記載していないが、米麹からは米残渣、ふすま麹からはふすま残渣が生じることから、残渣の生じない液体培養についても新たに試みたいと考えている。セルロースを基質として、「セルロース→セロビオース(グルコース2個)→グルコース」の反応において「セロビオース→グルコース」の反応を促進する酵素生成が比較的弱く、逆に「セルロース→セロビオース」の反応を促進する酵素生成が比較的強い周波数を絞り出し、セロビオース生産条件については、反応温度、反応時間、振とうの有無などの様々な条件下で検討し、最終的にはセルロースからセロビオース生産技術の構築を目指したいと考える。実験で使用するセルロースは市販セルソースのアビセルを使用するが、そのデータを元に様々な植物に対応できる条件を各々構築したいと考えている。
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