Project/Area Number |
23K05663
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43020:Structural biochemistry-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福田 善之 徳島大学, 先端酵素学研究所, 准教授 (60571099)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | テルモプラズマ・アシドフィルム / 膜タンパク質 / クライオ電子線トモグラフィー / Alphafold2 / String |
Outline of Research at the Start |
生命において、様々な機能を担うタンパク質の多くは複合体を形成し、その複合体の構造状態が動的に変化することで協調的に目的の機能を果たしていると考えられています。したがって、生理的環境下にあるタンパク質複合体の動的構造変化を解明することで、その機能の解明につながり、生命現象の理解に重要な知見をもたらすことが期待されます。本研究では、in situビジュアルプロテオミクスとタンパク質データベース、そしてAIによる構造予測法を組み合わせて、タンパク質複合体のサブユニット解析法を開発し、古細菌テルモプラズマ・アシドフィルム細胞膜上の新規鳥かご型構造体を対象とした構造-機能相関の解明を試みます。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、これまでに古細菌テルモプラズマ・アシドフィルムの細胞膜上において、細胞外の鳥かご構造と細胞内の70Sリボソームで構成される鳥かご型の構造体を発見した。 この動的構造変化から、研究代表者は、「鳥かご型構造体は、細胞外に分泌されるタンパク質の新生ペプチド鎖合成、鳥かご構造内部に輸送された新生ペプチドの翻訳後修飾(N-グリコシル化)、そして細胞外への新規タンパク質の分泌を担うタンパク質複合体である」という構造-機能相関仮説を立てた。本研究構想では、データベースとAIの活用による鳥かご型構造体のサブユニット同定法を確立し、それを用いて鳥かご型複合体の構造-機能相関仮説の検証を行うことで、鳥かご型複合体の機能の解明を目的として行う。 研究実施計画において、今年度はテルモプラズマ・アシドフィルムのトモグラムを取得して、細胞膜上の鳥かご構造の構造解析を行う計画であった。しかしながら、研究代表者の以前の職場から凍結保存されたテルモプラズマ・アシドフィルム細胞を分与してもらったものの、今年度は研究代表者の異動や、急遽始まった共同研究に時間を割く必要があり、本研究計画通りに進めることができなかった。 一方で、共同研究の過程において、従来法よりも高効率なトモグラム撮影法を習得することができた。そして、取得したトモグラムにおいて可視化されているタンパク質複合体のサブトモグラム平均化を行うワークフローを確立することができた。これらの高効率なトモグラム撮影法とサブトモグラム平均化は本研究課題にも用いることができるため、来年度以降に本研究構想に応用したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実施計画において、今年度はテルモプラズマ・アシドフィルムのトモグラムを取得して、細胞膜上の鳥かご構造の構造解析を行う計画であった。研究代表者の以前の職場から凍結保存されたテルモプラズマ・アシドフィルム細胞を分与してもらったものの、今年度は研究代表者の異動や、急遽始まった共同研究に時間を割く必要があり、本研究計画通りに進めることができなかった。 一方で、共同研究の過程において、従来法よりも高効率なトモグラム撮影法を習得することができた。そして、取得したトモグラムにおいて可視化されているタンパク質複合体のサブトモグラム平均化を行うワークフローを確立することができた。これらの高効率なトモグラム撮影法とサブトモグラム平均化は本研究課題にも用いることができるため、来年度以降の本研究構想に応用したい。 以上のことから、遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、まず今年度習得した高効率トモグラム取得法を用いてテルモプラズマ・アシドフィルムのトモグラムを取得する。そして、取得したトモグラムから鳥かご型構造体を抽出し、サブトモグラム平均化及び構造の分類を行い、データベースとAIの活用による鳥かご型構造体のサブユニット同定法の確立を行う。本解析では、in situビジュアルプロテオミクスにより得られた鳥かご型構造体の特徴的な構造である膜結合リボソームに焦点を当て、SecY (Ta1248)を「手がかり」として抽出する(1)。そして、SecY(Ta1248)を入力タンパク質としてStringで検索して、入力タンパク質と相互作用をもつタンパク質のネットワークを取得する(2)。Alphafold2を用いて、取得したネットワーク上のタンパク質の三次元構造を予測する(3)。そして、予測された関連タンパク質の構造をテンプレートとして、鳥かご型構造体の高分解能構造を対象にテンプレートマッチングを行い、鳥かご構造における関連タンパク質の局在を解析する(4)。入力タンパク質を変えて(2)~(4)のステップを繰り返すことで、連鎖的に鳥かご型構造体のサブユニットの同定を目指す。
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