Project/Area Number |
23K05865
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45010:Genetics-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上野 勝 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 准教授 (90293597)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ブロッコリー / 核膜 / 抗がん剤 / ジインドリルメタン / 分裂酵母 / ガン転移 |
Outline of Research at the Start |
我々はブロッコリー由来ジインドリルメタン(以降DIMと呼ぶ)に分裂酵母における核膜損傷作用があることなどを発見している。DIMによる核膜損傷機構を理 解・活用できれば、“斬新な作用”すなわち、“血管内侵入により損傷したがん細胞の核膜 修復能を上回る更なる核膜損傷を与えること”によって、転移過程のがん細胞を選択的に死 滅させ、転移を阻止できると考えられる。そこで、本課題では、DIMによる分 裂酵母の核膜損傷の作用機序解明を目指し、DIMの核膜損傷作用に関与する遺伝子、DIM が及ぼす核膜形態変化とタンパク質局在変化、DIMが及ぼす核膜への化学的・物理的変化 を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、以下の3つの研究を行うことで、DIMによる分裂酵母の核膜損傷に関与する因子を同定、解析する。これによってDIMが核膜を損傷する機構を解明する。研究1 DIMによる核膜損傷を抑圧、促進する変異株、過剰発現遺伝子の取得と解析 研究2 DIMによる核膜の形態変化やタンパク質の局在変化のインビボ解析 研究3 DIMによる核膜の脂質や核膜の物性の変化のインビトロ解析 本年度は、研究1 『DIMによる核膜損傷を抑圧、促進する変異株、過剰発現遺伝子の取得と解析』に関して、tsf1遺伝子の変異がDIM感受性を抑圧することを発見した。オートファジーに必要なatg7を破壊するとDIMに感受性になることを報告している。そこで、atg7破壊株においてtsf1を変異したところ、DIM感受性が抑圧された。このことから、tsf1変異によるDIM感受性の抑圧にはオートファジーの活性は必要ないことがわかった。研究2 『DIMによる核膜の形態変化やタンパク質の局在変化のインビボ解析』については、DIMの添加で核膜局在タンパク質であるBqt4が核膜上に凝集体を形成することを発見した。さらに核膜周辺に局在するERがDIM添加で核膜周辺から細胞質に移動することを発見した。このことからDIMは核膜だけでなく、ERの構造にも大きな影響を与えることを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究1 『DIMによる核膜損傷を抑圧、促進する変異株、過剰発現遺伝子の取得と解析』に関して大きな進展があった。具体的には、tsf1遺伝子の変異がDIM感受性を抑圧することを発見した。また、研究2 『DIMによる核膜の形態変化やタンパク質の局在変化のインビボ解析』についてもいくつもの進展があった。具体的には、DIMの添加で核膜局在タンパク質であるBqt4が核膜上に凝集体を形成することを発見した。これらのことから当初の目的を十分に達成できていると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度に発見したtsf1遺伝子の変異がDIM感受性を抑圧する機構を解析する。具体的には、tsf1を完全に破壊した時や、tsf1変異にTuf1を過剰発現したときにDIM感受性にどのような影響を与えるかを調べる。また、tsf1変異によるDIM耐性化と他の遺伝子との関係を解析する。さらに、DIM感受性に影響を与える変異株やマルチコピーサプレッサーの探索を行う。また、インビトロで人工膜を作成し、それにDIMを加えたときに、膜の物性が変化するかどうかも調べる。
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