腫瘍特異的抗体療法におけるADCC活性誘導機構の解明と新規抗体医薬開発への応用
Project/Area Number |
23K06256
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
阿部 真治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (00403717)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 安彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (70274199)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 抗体療法 / ADCC |
Outline of Research at the Start |
これまでに我々は、アスベストの暴露で発症する悪性胸膜中皮腫に対する新しい治療法の確立を目的として、新規抗体医薬の開発研究について取り組んできた。しかし、抗体医薬による抗がん作用のメカニズムについては、完全には解明されていない。そこで本研究では、我々が保有する様々なタイプの新規抗体医薬を用いて、抗体医薬の抗がん作用メカニズムを解明し、より有効な新規抗体医薬の開発を行うことを目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
悪性胸膜中皮腫はアスベストにより誘発される難治性の胸部悪性腫瘍であり、治療法として外科的切除、化学療法、放射線療法などが行われているが、治療抵抗性であることが多いため、抗体療法などの新規治療法開発が求められている。これまでに我々の研究グループはポドプラニンを標的とする特異的抗体を開発し、その抗体が ADCC 活性の誘導を介して、悪性胸膜中皮腫細胞株に対して強い抗腫瘍効果を発現することを明らかにしている(J Immunol. 190:6239-6249, 2013; Cancer Sci. 107:1198-1205, 2016.)。一般的に ADCC 活性を誘導する抗体医薬は、抗原認識能と最終的な細胞傷害活性について評価されることがほとんどであり、抗体が抗原を認識してから細胞傷害を誘導するまでの詳細なメカニズムはいまだ明らかとなっていない。本研究では、各種抗ポドプラニン抗体の Fc 受容体結合能と、それに続く NK 細胞活性化メカニズムの詳細について明らかにすることを目的としている。 2023年度は我々の研究グループが保有する抗ポドプラニン抗体を用い、Fc 受容体への抗体医薬の結合能についてELISA法により検討を行った。その結果、一部の抗体においてコアフコース除去による結合能の上昇が認められた。また、抗体医薬による NK 細胞活性化メカニズムを明らかにするため、各種抗ポドプラニン抗体の処置による NK 細胞表面マーカーへの影響についてフローサイトメトリーを用いて検討を行った。その結果、Fc 受容体以降のNK細胞活性化についても細胞表面マーカーを用いて評価を行うことができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画では、各種抗体の Fc 受容体結合能と、それに続く NK 細胞活性化メカニズムを明らかにするため、各種抗ポドプラニン抗体を用い、ELISA 法により各種抗体の Fc 受容体結合能を評価するとともに、NK 細胞表面マーカーへの影響をフローサイトメトリーにより評価する予定であった。 2023年度は、それぞれについて条件設定も順調に進み、ほぼ予定通りに実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
すでに各種抗ポドプラニン抗体の Fc 受容体結合能、およびNK 細胞表面マーカーへの影響について評価法は条件設定も順調に進んでいる。したがって、2024年度は、Fc 受容体結合を介したNK細胞活性化メカニズムの詳細な検討を進めるとともに、in vitro および in vivo における抗ポドプラニン抗体の抗腫瘍効果についても検討を行う予定である。In vitroおよびin vivoの基本的な実験系はすでに我々の研究グループで確立されたものであり、着実に研究の進展を図っていく。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)