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好中球に着目したがんの発育・進展機序の解明:腫瘍微小環境の網羅解析をめざして

Research Project

Project/Area Number 23K06455
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 49020:Human pathology-related
Research InstitutionFujita Health University

Principal Investigator

塩竈 和也  藤田医科大学, 医療科学部, 教授 (10387699)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 塚本 徹哉  藤田医科大学, 医学部, 教授 (00236861)
平山 将也  藤田医科大学, 医療科学部, 助手 (50875739)
荒川 敏  藤田医科大学, 医学部, 准教授 (80449462)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2024)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Keywords好中球細胞外トラップ / NETs / がん微小環境 / TME / 免疫組織化学染色 / ホルマリン固定パラフィン切片 / 大腸癌 / 腫瘍微小環境 / 好中球 / TAN / マルチプレックス免疫染色
Outline of Research at the Start

いまだ明らかにされていないTME周囲の好中球(TAN、NETs)に焦点をあてて、がんの発育・進展過程に対する臨床病理学的意義を解明することを目指し、最終的にがん患者の予後予測や治療応用できる橋渡し研究へと発展させることが本研究の目標である。病理標本を用いた大規模解析は、in vitroレベルでは実現しえない“直接現場を観察できる”病理ならではの強みを活かしたアプローチであり、最大40種類の抗原を同時に検出できるマルチプレックス免疫染色を用いることで、TANとNETs、さらにはTME関連分子群を加えた複数の細胞間相互作用を多角的に解読することができるため、新知見が得られる可能性が高い。

Outline of Annual Research Achievements

本年度は、進行性大腸癌におけるがん微小環境の好中球細胞外トラップ(Neutrophil Extracellular Traps: NETs)に着目し、その病理学的意義を明らかにするための免疫組織化学的解析を行った。
大腸癌の癌先進部ではNETsの発現が多く認められる傾向があり、NETsが大腸癌において積極的に形成されていることが明らかとなった。一方、粘膜側および間質では好中球の浸潤は認められたが、NETs形成は乏しかった。さらに、大腸癌の患者背景とNETs陽性率を比較したところ、右側結腸に発生した症例(p = 0.026)および転移を有する症例(p = 0.031)で有意に高値を示した。病期の進行に伴いNETs発現が上昇する傾向も観察された。肝転移を有する症例では、8/9例において血管内にNETsの形成が認められ、NETsが癌細胞に絡みつく像が確認された。右側結腸に発生する大腸癌は予後不良とされているが、本研究においても右側発生例におけるNETsの増加傾向が確認された。さらに、進行ステージや転移症例においてもNETsの発現が高く、NETsが予後不良因子となる可能性が示唆された。
以上の結果から、NETsは単なる炎症反応の産物ではなく、腫瘍の浸潤・転移を促進する可能性を有することが示され、NETsの病理学的意義とがん進展への関与を裏付ける新たな知見が得られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

現在までに得られた結果は、以下の4点に要約される。1)進行性大腸癌において、好中球に隣接した癌先進部でNETsの発現が多く認められる傾向があり、既報と同様に、大腸癌においてNETsが発現していることを明らかにした。2)大腸癌においてNETsの発現を捉えることはできたが、それが腫瘍に対して促進的に作用するのか、あるいは抑制的に働くのかについては、この手法のみでは明確に判断できなかった。3)臨床データとの比較検討により、NETsの発現が多く認められる症例には、①病期(Stage)が高い、②右側大腸に発生する、③転移性である、④脈管侵襲が存在する、という4つの病理学的特徴が共通して認められた。4)これらの所見はすべて悪性度の高さに関わる項目であり、以上を総合的に考察すると、NETsは腫瘍の浸潤・転移を促進する方向に関与している可能性が示唆された。

Strategy for Future Research Activity

本研究において、癌先進部における積極的なNETs形成に加え、血管内へのNETsの侵入が観察され、がん微小環境(TME)におけるNETsの多面的な関与が示唆された。今後は、大腸癌に限定せず、他臓器の癌腫においても同様の解析を展開し、NETsの腫瘍共通的・特異的な意義を明らかにする。特に、多重免疫染色法を用いた解析により、NETsとTME関連バイオマーカーとの細胞間の相互作用を詳細に解析し、腫瘍の浸潤・血管新生・免疫応答に及ぼす影響についても病理組織学的・分子生物学的手法を用いて多角的に検証する。これらの研究を通じて、NETsが腫瘍悪性化に果たす役割を包括的に理解し、将来的には新たな治療標的の探索につなげたい。

Report

(2 results)
  • 2024 Research-status Report
  • 2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2025-12-26  

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