小児の心筋症におけるミトコンドリア障害と心筋エネルギー代謝に関する研究
Project/Area Number |
23K07496
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武田 充人 北海道大学, 医学研究院, 講師 (00374413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 大輔 北海道大学, 大学病院, 医員 (30933741)
山田 勇磨 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (60451431)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ミトコンドリア / 心筋症 / エネルギー代謝 |
Outline of Research at the Start |
小児の心筋症は生命予後不良であり、原因に基づいた早期発見と早期治療の開発が急務である。我々は乳児期発症のミトコンドリア関連遺伝子異常に基づく心不全が極めて予後不良であることを報告し、心筋エネルギー代謝異常が小児心不全の進行に大きく関わっていることに着目した。そこで本研究では心筋ミトコンドリア異常が関与している小児の心筋症において心筋組織のミトコンドリア形態機能解析および心筋メタボローム解析によって小児心筋症の病態を心筋エネルギー代謝の側面から明らかにし、創薬および特殊栄養療法の開発へとつなげる全く新しい小児心不全の治療戦略を生み出すことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
【心筋症モデル動物におけるミトコンドリア形態と機能解析】正常および遺伝子改変筋ジストロフィーモデルラットにおいて心臓、骨格筋を摘出し、電子顕微鏡による細胞膜およびミトコンドリアの形態観察を行ったところ、正常ラットでは心筋、骨格筋細胞における細胞膜構造が保たれていたが遺伝子改変筋ジストロフィーモデルラットでは細胞膜断裂、基底膜の肥厚が多く観察された。ミトコンドリアの数やクリステ変化などは正常ラットに比して明らかではなかった。今後、呼吸鎖酵素複合体に対する抗体を用いた免疫染色を用いた解析を行う予定。 【ヒト心筋症におけるミトコンドリア形態と機能、心筋エネルギー代謝の解析】 小児重症心不全の4例においてミトコンドリア関連遺伝子異常を認めた。うち1例に対して表現型が極めて重症であったためスプライシング異常を疑い、cDNA解析およびminiGene解析によってエキソンスキッピングにより複数のアイソフォームが存在した他にスプライシング異常も認め、心不全重症化の原因として症例報告した。ミトコンドリア機能異常に基づいてビタミンカクテル療法を導入したところ心不全は徐々に改善し、現在心不全症状なく経過観察が可能となっている。 ミトコンドリアDNA異常を認めた小児心筋症に対して心筋生検を施行し、ミトコンドリア形態異常、ミトコンドリア体積密度の増加、およびクリステの変性を認め、呼吸鎖酵素複合体に対する抗体を用いた免疫染色で染色性の低下を認めた。SGLT2阻害薬によるケトン体産生および心筋での利用促進を目指した治療を行っており、有効であれば今後ミトコンドリア心筋症においての治療の選択肢として考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験は当初の予定通りである。心筋を用いたメタボロームアッセイについては検体数が集まった時点で検討する必要があり、まだ十分なサンプル数に達していないため保留としている。一方で中鎖脂肪酸含有ミルクなどによる心不全栄養療法は開始しており、その効果について検証可能であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
二次性心筋症モデル動物における心筋、骨格筋組織の電子顕微鏡像におけるミトコンドリア形態の観察を行う。また凍結保存している心筋、骨格筋を組織を用いてメタボローム解析を行うことで不全心筋におけるエネルギー代謝の特徴について明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(11 results)
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[Journal Article] A case of infantile Barth syndrome with severe heart failure: Importance of splicing variants in the TAZ gene2023
Author(s)
Takeda A, Ueki M, Abe J, Maeta K, Horiguchi T, Yamazawa H, Izumi G, Chida-Nagai A, Sasaki D, Tsujioka T, Sato I, Shiraishi M, Matsuo M.
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Journal Title
Mol Genet Genomic Med.
Volume: 11
Issue: 7
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Impact of right ventricular stiffness on discordance between hemodynamic parameter and regurgitant volume in patients with pulmonary regurgitation.2023
Author(s)
Motoi K, Iwano H, Tsuneta S, Ishizaka S, Tamaki Y, Aoyagi H, Nakamura K, Murayama M, Nakabachi M, Yokoyama S, Nishino H, Kaga S, Takeda A, Anzai T.
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Journal Title
Int J Cardiovasc Imaging.
Volume: 39
Issue: 6
Pages: 1133-1142
DOI
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Peer Reviewed
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