NOIR-SSを用いた淡明細胞型腎癌におけるctDNAの定量と背景因子の解明
Project/Area Number |
23K08731
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久米 春喜 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (10272577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 悠佑 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (20372378)
垣見 和宏 近畿大学, 医学部, 教授 (80273358)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 淡明細胞型腎細胞癌 / cfDNA / NOIR-SS / circulating tumor DNA / VHL mutation / renal cell carcinoma / リキッドバイオプシー |
Outline of Research at the Start |
腎癌のなかで最も頻度の高い淡明細胞型腎細胞癌に関して、遺伝子変異の中でも最も高頻度なVHL遺伝子変異に的を絞り、末梢血もしくは尿から患者ごとのVHL遺伝子変異をより高感度かつ特異的に検出するシステムを構築する。さらに画像診断や臨床経過と比較することにより、①画像診断より優れた再発の早期発見システムの構築、②薬物療法の治療効果のバイオマーカーとしての意義を確立し、より低侵襲に、効率的かつ効果的な治療を行ことが可能となる診療体系を提唱したいと考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
cfDNAを分子バーコードで標識、PCRにより増幅、NOIR-SSという手法で分子バーコードによるエラーを除去する、という手法が、淡明細胞型腎細胞癌患者の末梢血からの腫瘍由来変異VHLの定量的検出に有効であることを確認し、下記の国内学会において我々の研究に関する報告を行った。具体的には、手術により摘出した腫瘍検体の遺伝子解析によりVHLに変異を認めたccRCC患者を対象とし、手術前後ないしその後の経過において、末梢血からcfDNAの抽出を行い、腫瘍由来変異VHLの検出の有無、検出された腫瘍由来変異VHLの分子数と腫瘍量や転移の有無といった背景因子との関連性を調べた。結果として末梢血の血漿量が3mL以上、原発腫瘍のサイズが8㎝以上の症例で末梢血からの腫瘍由来変異VHLの検出が可能であること、治療前の時点の転移の有無と検出力に関連はなく、放射線治療中は、末梢血中の腫瘍由来変異VHL量が比較的多く検出されることを示した。 「quantitative detection of tumor-derived mutant VHL in plasma of patients with clear cell renal cell carcinoma」(第8回リキッドバイオプシー研究会、東京、2024/02/03) 「淡明細胞型腎細胞癌患者の末梢血からの腫瘍由来変異VHLの定量的検出と影響を与える因子の解析」(第33回分子細胞研究会、福岡、2024/02/17)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々は、淡明細胞型腎癌患者由来の末梢血を用いて腫瘍由来変異VHLの定量化を試みた。結果、下記の研究実績に関する報告の如く、末梢血からの腫瘍由来変異VHL定量化は可能であることを示せた。さらに、限られた症例数ではあるが、腫瘍サイズと末梢血中の腫瘍由来変異VHLの関連性を示すデータを得て、学会での報告を行うことができた。このような理由から、本研究の状況はおおむね順調に推移しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記研究実績に関して、NOIR-SSにより末梢血中の変異VHL遺伝子の定量化が可能であることを示す英語論文の発表を準備中である。 今後の課題として、臨床情報を踏まえた十分な統計的解析を可能にするためには症例数を増やす、採血のポイントを増やして適切な末梢血採取のタイミングを同定する、より効果的に予後予測が可能な状況を解明するといった課題があげられる。可能な限り症例数を増やして検討を行い、淡明細胞型腎細胞癌の新しいバイオマーカーとしてのVHL変異を用いたリキッドバイオプシーの手法を確立していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)