Project/Area Number |
23K08879
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
宮川 知保 近畿大学, 医学部, 助教 (10773905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 謙臣 近畿大学, 医学部, 教授 (20452336)
高村 史記 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (90528564)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 卵巣明細胞癌 / IL-6 / 卵巣癌 / 明細胞癌 / 免疫チェックポイント阻害薬 / 化学療法 |
Outline of Research at the Start |
化学療法抵抗性である卵巣明細胞がんOCCCは、IL-6産生腫瘍として知られていて、IL-6が腫瘍の増殖、及び腫瘍免疫に関与すると考えられている。また、免疫チェックポイント阻害薬ICIが奏功する可能性が示唆されているがいずれも機序は不明である。我々はマウスOCCCモデルの腫瘍から様々なIL-6産生能を有する複数の細胞株を樹立し、これらCCC細胞株を用いて IL-6が腫瘍の表現形や硬腫瘍免疫に及ぼす影響を解明すると共に、 ICI感受性に与える影響を調べてヒトのICI奏効のバイオマーカーの探索へ繋げる。
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Outline of Annual Research Achievements |
卵巣明細胞がん(clear cell carcinoma: CCC)は、IL-6産生腫瘍として知られている。IL-6は腫瘍の増殖、及び腫瘍免疫に関与すると考えられているが、実際の役割は不明である。また、CCCは化学療法抵抗性の難治性腫瘍であるが、臨床試験の結果から免疫チェックポイント阻害薬(Immune checkpoint inhibitor: ICI)が奏功する可能性が示唆されている。しかしながらIL-6がICIに与える影響も未だ解明されていない。我々はマウスCCCモデルの腫瘍から様々なIL-6産生能を有する複数の細胞株を樹立した。高IL-6産生株は低IL-6産生株と比較し、皮下接種後に筋層を超え腹腔内へ到達するほど高い浸潤能を有するなど、種々の異なる表現系を示した。 本年度は、①IL-6高産生腫瘍に対してIL-6中和抗体で治療を行ったマウスモデルと無治療マウスモデルの腫瘍をRNA sequencingを行って遺伝子発現の違いを検討し、予想通りIL-6により分化が促進されるT細胞分画のうちTh17への分化がIL-6中和抗体投与で抑制されていることがわかった。しかし、その他の免疫担当細胞に影響を与えるデータは認められなかった。IL-6に関わるJAK/STAT経路にかかわるセリンスレオニンキナーゼのシグナルの低下は認めた。②①と同条件の腫瘍に浸潤するリンパ球をフローサイトメトリーで確認したが、Lymphocytesの分画に大きな変化を認めず、IL-6による腫瘍増殖効果は免疫担当細胞を介した効果ではない可能性が示唆された。③IL-6高産生細胞株のIL-6発現をノックアウトすることを試みたが、現在のところノックアウト株の増殖を認めなかった。すなわち、腫瘍増殖の絶対条件としてIL-6が機能している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IL-6による腫瘍増殖効果が、ノックアウト実験によりIL-6が腫瘍増殖の絶対条件である可能性が示唆され、腫瘍増殖抑制に大きく寄与する可能性が示唆された。さらに、免疫担当細胞を介する増殖抑制効果の可能性を考慮したが、IL-6中和抗体を投与しても、腫瘍内に浸潤するリンパ球分画に大きな影響を与えていない可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
IL-6による抗腫瘍効果が免疫に関連しないかどうか、CD8抗体を併用して治療実験を行って確認している。同じ卵巣癌で異なるsignature をもつ組織型に対して効果があるのかどうかも細胞株を腹腔内投与して実験中である。さらに、細胞株でIL-6の発現をノックダウンして腫瘍増殖の程度を確認しつつ、遺伝子発現解析を行ってIL-6の抗腫瘍効果に関わる遺伝子の変化を確認してその機序を解明する。
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