Project/Area Number |
23K09101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56070:Plastic and reconstructive surgery-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安倍 吉郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40467808)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 組織透明化 / 皮弁 / 血管網構造 / 未固定遺体 / 三次元的解析 / 皮弁灌流域 |
Outline of Research at the Start |
皮膚を栄養する血管の血行動態では、主血管の血行領域の外側に存在する径1mm以下のchoke血管や皮膚穿通枝の間に存在するdirect / indirect linking vesselの存在が重要とされているが、これまで十分な解剖学的な検討ができないことから、実際の臨床において皮弁の灌流領域に関する新たな知見が少ない。一方、近年では組織を透明化する技術が開発されており、これら微小血管が明視的に同定可能である。本研究はこの技術を未固定遺体に使用し、代表的な皮弁について皮下脂肪組識内部の微細な血管網構造を三次元的に多方向から解析することで、皮弁の灌流領域を明らかにすることが目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
・皮弁移植術を行うにあたって、皮弁内の血管分布、特に脂肪層内の走行を正確に解明することが重要である。そこで組織透明化技術を用いて、微細な血管網構造を可視化した標本を作成することを目的として本研究を行った。 ・特許(2020-082566)に基づき、遺体から採取された4個の皮弁(外側広筋を含んだ前外側大腿皮弁が3個、広背筋皮弁が1個)の透明化を試みた。 ・採取した組織の体積に応じて透明化に用いる試薬の濃度や浸漬の時間、温度などの条件を変えながら行ったところ、4標本中1個(前外側大腿皮弁)で良好な透明化が得られ、ターゲットとする脂肪内の微細な血管網構造の可視化に成功した。しかし、そのほかの3個では透明化が不十分なもの、或いは透明化は得られたが組織損傷が著しく、脈管構造がわからない個体も見られた。 ・現状は組織の体積や種類に応じた至適条件を探索している途中であるが、これまでの経験から良好な透明化を得るためには脈管内の灌流処置や40°前後の加温が有効なことに加え、重大な組織損傷を回避するにはホルマリンの固定時間を十分に長く設定し、溶液中の水酸化カリウム濃度を抑えることが鍵であると考えている。 さらに、真皮が厚い背部の皮弁や強固な筋膜構造を持つものは浸漬の効果が弱いため、皮膚表層を脱上皮することや、あらかじめ筋膜を除去することも検討している。 ・今後は透明化プロトコールの確立をすすめ、画像解析ソフトで血管の三次元的走行や密度を計測することで、臨床における実際の皮弁手術計画や新たな皮弁開発に応用する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究には当病院に搬送される未固定遺体を用いているが、当初の想定よりも遺体のコンディションや体格の差が結果に影響することが判明した。したがって、研究に用いやすい遺体が登録されるまで待機する必要があるため、実際に使用できる遺体の数が限られていることがスケジュールに影響していると思われる。 以上より、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
・現在も行っている方策だが、組織透明化の特許者とも随時打ち合わせを行い、至適な条件について検討をすすめる。 ・今までに良好な結果が得られた個体もあるため、今後はその個体に用いた条件を参考にしながらプロトコールの確立をすすめる。 ・良好なコンディションの未固定遺体を使用できるよう、遺体の管理者と打ち合わせを行う。
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