患者レジストリを用いたIgG4関連涙腺・唾液腺炎の診断における顎下腺超音波の有用性
Project/Area Number |
23K09334
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊東 美穂 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (20778857)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 雅文 九州大学, 大学病院, 助教 (20452774)
中村 瑞樹 (坂本瑞樹) 九州大学, 歯学研究院, 助教 (90848029)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 患者レジストリ / セントラルレビュー / IgG4関連涙腺・唾液腺炎 / 顎下腺超音波検査 / IgG4関連疾患 / 診断 / 予後判定法 |
Outline of Research at the Start |
IgG4 関連疾患(IgG4-RD)は、高 IgG4 血症や多臓器に IgG4 陽性形質細胞の浸潤と著明な線維化を伴う腫脹を特徴とする本邦から提唱された新しい疾患概念である。 IgG4 関連涙腺・唾液腺炎(IgG4-DS)の診断においては、罹患臓器を全摘出することも多く、唾液分泌機能の低下や顔面神経障害などの合併症が生じるリスクを伴う。 そこで本研究では、非侵襲性で繰り返し使用できる顎下腺超音波検査に着目し、IgG4-DS の診断および予後判定法の確立を目的に、希少疾患としては国内最大規模の患者レジストリデータを利用した検証を行い、診断への実用化を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4 関連疾患 (IgG4-RD) は、高 IgG4 血症や多臓器に IgG4 陽性形質細胞の浸潤と著明な線維化を伴う腫脹を特徴とする、本邦から提唱された新しい疾患概念である。現在、厚労省の指定難病にも認定され、我々も歯科から唯一の研究施設として難治性疾患政策研究事業の研究班に参加している。この研究班で作成された世界初の「 IgG4 関連疾患包括的診断基準」および「臓器特異的診断基準」では、類似疾患との鑑別のために罹患臓器の生検が推奨されている。しかし、涙腺・唾液腺を罹患臓器とする IgG4 関連涙腺・唾液腺炎 (IgG4-DS) の場合、腫瘍との鑑別も考慮して全摘出されることも多く、唾液分泌機能の低下や顔面神経障害などの合併症が生じることがある。また、再発も多いことから長期経過を診る必要があり、非侵襲性で繰り返し実施可能な検査が求められている。そこで本研究は、非侵襲性で繰り返し使用できる顎下腺超音波検査に着目し、IgG4-DS が疑われる患者を対象に顎下腺超音波検査の有用性について前向きに検討し、診断および予後判定法の確立を目的に多施設での検証を行い、診断への実用化を目指す。これまでに、6 施設から 58 例の画像データ・臨床病理学的データを受け、7 つの施設にてセントラルレビューを行なった。セントラルレビューでの顎下腺超音波検査検査 (n= 58) の感度・特異度・正診度はそれぞれ、91.7 %、60.0 %、82.8 %であり、感度は高いものの、特異度が低いという結果であった。診断者が7 名ということもあり、一致率については有意差はあるものの、低値 (κ=0.161) であった。ただし、血清IgG4値と組み合わせた感度・特異度・正診度はいずれも100%となり、診断基準への応用も可能と考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者レジストリの使用にはまだ至ってないが、他施設協力施設からのデータ提供・セントラルレビューは順調に進んでおり、研究体制(ノウハウ)も整ってきた。今後は更なる症例数の獲得が必須であるが、患者レジストリを用いることが可能となれば、一層の症例数増加を期待できると考えられるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
多施設協力施設からの更なる画像提供を受け、特に Ig4-DS の否定例の症例数の蓄積を行うことで、顎下腺超音波検査のより正確な診断能を検証できるものと考える。さらに患者レジストリを用いる体制も今後構築していく予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)