Project/Area Number |
23K09505
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57080:Social dentistry-related
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉田 賀弥 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (60363157)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣島 佑香 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (60545143)
尾崎 和美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (90214121)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 歯周病菌 / 細胞外小胞 / アルツハイマー型認知症 |
Outline of Research at the Start |
高週齢マウスにPg OMVsを投与したモデルマウスを作製し、透明化技術と蛍光イメージングを用いてPg OMVsが脳に到達する経路を視覚的に検証する。次に、Pg OMVs表面のFimA~ミクログリアの表面抗原CD11bの結合により、Pg OMVsが特異的にミクログリアに取り込まれるか検討する。最後に、Pg OMVsが含有するDNAの CpG配列がToll-like receptor 9 (TLR9)と結合して、ミクログリアを活性化し神経炎症を誘導するか判定する。本研究の成果は、Pg OMVs DNAが、既存概念とは別経路で神経炎症を誘導し認知症を進行させ得ることを提唱し、将来的に認知症の新規診断法や予防法、創薬の開発に繋がる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、歯周病菌Porphyromonas gingivalis (Pg)が分泌する膜小胞 (Outer membrane vesicles, OMVs) に着目し、歯周病が背景にある認知症の発症・進行機構の解明を目指す。2023年度は、Pg OMVs の生体内動態を追う実験モデルを確立するために、主に以下の実験を行った。 1.Pg OMVs抽出:Pg ATCC33277を嫌気培養して、培養上清を回収した。Total exsosome reagent (サーモフィッシャー社)を用いたポリマー法により、Pg OMVsを抽出した。得られたサンプルに、Pg由来のタンパク質が含まれていることを確認した。Pg OMVsの抽出方法が確立した。 2. モデルマウスの作製:高週齢マウス(C57BL/6J, 52週齢,雌性, ジャクソン・ラボラトリー・ジャパン社)にPg OMVs(5 micro g/匹)を、12週間腹腔内投与してモデルマウスを作製した。脳、肺および肝臓を摘出し、DNAとRNAを回収した。透明標本や凍結切片を作成するために、各臓器を保存した。 3.Pg OMVsが脳へ移行する経路の検討:まず実際にPg OMVsが脳へ移行しているかを検討するために、脳から抽出した全DNA中を鋳型にしてPg特異的なプライマーを用いたPCRを行った。しかし、モデルマウスのどの群からもPg DNAは検出されなかった。次に、マウスにおけるPg OMVsの生体内動態を検出するために、Pg OMVsの蛍光標識を行った。標識部位の違う4種類の蛍光試薬を試験した結果、Pg OMVs含有物を標識するCytoTell Ultra Greenや、二重膜を標識するMemGlow488により、良好にPg OMVsを蛍光標識できる条件を確立した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデルマウス作製や蛍光標識の実験条件を確立できたが、当初の予測に反して、モデルマウスの脳からはPg由来のDNAが検出されなかった。このために、計画していたDNA関連の実験計画を変更する必要が生じた。特に、DNAの検出方法について再考したため、実験の進行が遅れた。
|
Strategy for Future Research Activity |
1. Pg OMVsが脳へ移行する経路:Pg OMVs をSYTO Tell Ultra Green で蛍光標識し、モデルマウスに尾静脈投与する。マウス脳を摘出し、組織固定後に凍結切片を作製し、共焦点レーザー顕微鏡下で、脳実質の微小血管周辺にPg OMVsが漏出していないか観察する。結果次第では、マウス頭部をホルマリンで固定した後、CUBICシステム(TCI社)を用いて透明化し、Pg OMVsを検出する。 2. Pg OMVsがミクログリア に特異的に取り込まれる機序:モデルマウスの脳を固定・包埋し薄層切片を作製し、ミクログリア特異的マーカーIba1の抗体で蛍光免疫組織染色して、脳に到達したPg OMVs がミクログリアに取り込まれているかを判定する。表面FimAを除去したPg OMVsを、対照マウス脳から分離したミクログリアに添加し、細胞内へ取り込まれるか蛍光顕微鏡下で観察し、FimAの取り込みへの関与を判定する。ミクログリアにCD11bに対するsiRNAを導入して、CD11bの発現を抑制し、Pg OMVsのミクログリアへの取り込みにCD11bが必須であるかを判定する。
|