がん患者の脱毛予防におけるアピアランスケアの最適化に向けた研究
Project/Area Number |
23K10013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58060:Clinical nursing-related
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
野澤 桂子 目白大学, 看護学部, 教授 (30469449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 博子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (70167013)
今西 宣晶 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (00184820)
飯野 京子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 (00532350)
齋藤 亜由美 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (30974323)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | アピアランスケア / 脱毛予防 / 頭皮冷却 / がん患者 / QOL |
Outline of Research at the Start |
働くがん患者が急増し,治療継続のためにもアピアランスケアが重要になっている。その中心課題の一つである脱毛対策は,頭皮冷却装置の登場により解決するように思われたが,施行例の増加と共に,効果・副作用・コスト・占有時間の長さ・業務増など,その課題も明らかになった。 研究者らは,医療現場の負担を軽減し,かつ患者の真のニーズに合致した,脱毛に対する新たなアピアランスケアモデルを構築し,提案する。具体的には,各種意識調査研究と再発毛促進のための簡易な頭皮冷却製品の開発研究を行う。完全な脱毛予防のみを目指すのではなく,脱毛を前提に再発毛を促進するという目標も選択肢の一つとして,脱毛対策全体を最適化する。
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Outline of Annual Research Achievements |
働くがん患者の増加に伴い、第3期・第4期がん対策推進基本計画では、医療者が外見の問題を適切に支援できること(アピアランスケア)が求められた。本研究は、その中心課題の一つである脱毛対策にフォーカスし、脱毛予防におけるアピアランスケアの最適化を目指すものである。 脱毛予防は、頭皮冷却装置の登場により解決するように思われたが、施行例の増加と共に、効果・副作用・コスト・占有時間の長さ・看護師の業務増など、その課題も明らかになった。そこで、研究者らは、看護学・被服学・医学・心理学の見地から共同し、医療現場の負担を軽減し、かつ患者の真のニーズに合致した、脱毛に対する新たなアピアランスケアモデルを構築し、提案することとした。具体的には、患者および医療者を対象とした調査研究(Ⅰ・Ⅱ)と再発毛促進のための簡易で安全性の高い頭皮冷却製品の開発研究(Ⅲ)を行う。これまでのように、完全な脱毛予防のみを目指すのではなく、脱毛することを前提に再発毛を促進するという目標を選択肢の一つとして、アピアランスケアにおける脱毛対策全体を最適化する。 初年度である2023年度は、予定通り、全ての研究を開始した。研究Ⅰ「脱毛予防におけるアピアランスケアに対する患者のニーズ調査」及び研究Ⅱ「頭皮冷却装置の運用に関する実態調査」では、研究計画書を作成し、倫理審査委員会から研究実施の許可を得た。研究Ⅲ「再発毛促進のための簡易型頭部冷却装置開発に向けた研究」では、研究計画書を作成し、倫理審査委員会から研究実施の許可を得て、複数の計測研究を行った。その結果を、2024年の日本家政学会第76回大会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究Ⅰ「脱毛予防におけるアピアランスケアに対する患者のニーズ調査」:目的は、技術の進歩により脱毛予防や再発毛の促進が視野に入った現在の状況を踏まえて,患者が求める支援は何かを明らかにすることである。現在、「化学療法誘発性脱毛の予防に対する患者ニーズの実態に関するアンケート調査」として、分担研究者の所属施設の倫理審査委員会から研究実施許可を得ている。 研究Ⅱ「頭皮冷却装置の運用に関する実態調査」:目的は、現に頭皮冷却装置を運用する施設の状況や検討課題など,導入による医療側へのメリット・デメリットや関わる医療者の意識を明らかにすることである。計画当初は、冷却装置導入施設への質問紙調査を先に行い、その中で許可を得られた施設を対象に半構造化面接によるインタビュー調査を行う予定であった。しかし、運用の実態と医療者の意識をより明確にするための効果的な質問紙を作成するため、先にインタビュー調査を行うこととした。現在、インタビュー調査は、「がん薬物療法に伴う脱毛予防に対する頭皮冷却装置の運用上の課題」として、分担研究者の施設における倫理審査委員会から実施許可を得て、5施設とインタビュー日程を調整中である。 研究Ⅲ「再発毛促進のための簡易型頭部冷却装置開発に向けた研究」:目的は、既存の冷却製品や新規開発素材などを吟味し,一定の温度を長く保てる簡易冷却装置の開発に向けた研究を行うことである。2023年度は、「抗がん剤から頭髪を保護するための簡易型頭皮冷却製品の試作と性能評価」として、医療用頭皮冷却装置(剃髪男性1名)、簡易型の脱毛予防A社製品(剃髪男性1名・女子大学生13名)、紙オムツを用いた試作品(剃髪男性1名・女子大学生10名)の温度や使用感の変化を測定した。その結果については、2024年の日本家政学会第76回大会で発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究Ⅰ「脱毛予防におけるアピアランスケアに対する患者のニーズ調査」:2024年度は、「化学療法誘発性脱毛の予防に対する患者ニーズの実態に関するアンケート調査」を実施する。具体的には、当該施設で治療するがん患者を対象に、20分程度のインターネットサイトを介した自己記入式質問紙調査を行い、脱毛予防に期待すること・許容される身体的負担や金銭的負担を明らかにする。本年度中に登録を終了し、解析を行う予定である。 研究Ⅱ「頭皮冷却装置の運用に関する実態調査」:2024年度は、まず、「がん薬物療法に伴う脱毛予防に対する頭皮冷却装置の運用上の課題」として、冷却装置導入施設に対する半構造面接によるインタビュー調査を行い、結果を分析するとともに、それをベースとした質問紙を作成する。2025年度は、新たに研究計画書を作成して倫理審査を経た後、過去5年間,日本がん看護学会,日本乳癌学会,日本がんサポーティブケア学会などで頭皮冷却装置の使用やその効果を発表している施設約40施設の看護部を対象にアンケート調査を実施する予定である。 研究Ⅲ「再発毛促進のための簡易型頭部冷却装置開発に向けた研究」:2023年の「抗がん剤から頭髪を保護するための簡易型頭皮冷却製品の試作と性能評価」では、簡易型の脱毛予防A社製品と紙オムツを用いた試作品の冷却温度や継続時間に、課題があることが明らかになった。加えて、しっかり装着した医療用冷却装置でも、装着ムラがでる可能性があった。2024年度は、予定通り学会発表を行うとともに、より性能を向上させるための試作品の改良を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)