骨格的な身体像の変形可塑性の同定、および非骨格な身体像への変形錯覚の拡張的適用
Project/Area Number |
23K11200
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61020:Human interface and interaction-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小鷹 研理 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (40460050)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ダブルタッチ錯覚 / スライムハンド錯覚 / ラバーハンド錯覚 / 皮膚変形錯覚 / 固有感覚ドリフト / 固有感覚 / 身体変形 / 皮膚変形 |
Outline of Research at the Start |
本研究は, 主観的な身体変形の距離限界を定量的に同定し, 手指の変形可塑性に関わる基礎的な知見を整理することを広義の目的とする. 具体的には, (1)骨格身体の変形可塑性に関して, 変形軸間および変形部位間の変形距離限界の違いを検証すること, さらに(2)変形可塑性を向上させるために, 変形対象を非骨格的身体へと拡張的に適用する手法を検討することを目標とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
- 骨格としての身体像変形の可塑性に関する研究 - 自分と他人の指への同期的接触(ダブルタッチ)を行うことによって、自分の指とが他人の指の位置まで伸長する変形錯覚が生まれることを実験によって示した。具体的には、自他の指を同時に触れる条件(同期条件)と交互に触れる条件(非同期条件)における、錯覚の主観強度および固有感覚のドリフト量を比較したところ、同期条件において、より強力な錯覚効果が得られることが明らかとなった。(佐藤ほか、認知心理学会大会2023)ダブルタッチ錯覚を適用し、指の関してDistal軸およびLateral軸での指変形の錯覚量を比較した。その結果、Lateral軸と比して、Distal軸において、より強い指変形錯覚が生じることを、主観評価および固有感覚ドリフトの計測によって明らかにした。これにより、身体変形錯覚において、変形軸に関する異方性が存在することを示した。(佐藤ほか、認知科学会大会2023)
- 皮膚としての身体像変形の可塑性に関する研究 - スライムハンド錯覚において、重力に関して垂直軸方向における錯覚効果の検討を行った。この結果、視触覚刺激の同期によって、水平軸方向と同様の錯覚効果が見られることが明らかとなった。さらに、固有感覚のドリフトが抑制された状況でもなお、十分な皮膚変形が観測された。この結果は、非骨格的な身体像の変調が、固有感覚の変調と独立に生じ得ることを初めて示すものである。(高橋ほか、認知科学会大会2023)スライムハンド錯覚を耳介領域に適用する『ブッダの耳錯覚』を発表した。視触覚刺激の同期によって、耳たぶが平均して20cm伸びる錯覚効果が得られることを実験で示した。(小鷹ほか、認知科学会大会2023)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
以下、当初予定していた二つの課題を分けて進捗を評価する。 (1)骨格身体の変形可塑性に関して, 変形軸間および変形部位間の変形距離限界の違いを検証すること - 変形軸間の可塑性の違いについては、本年度の研究活動の中で示し、国際論文誌にもアクセプトされた。順調に進行している。 (2)変形可塑性を向上させるために, 変形対象を非骨格的身体へと拡張的に適用する手法を検討すること - 非骨格的身体を対象とする錯覚として、「ブッダの耳錯覚」を新たに発表し(国内会議で発表、国際論文誌にて投稿中)、心理実験を行った。こちらも順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
骨格身体像の変形可塑性についての検証について、自己の左右の指をダブルタッチ錯覚によって接合する錯覚の検証を行う。この際、伸長錯覚と接合錯覚のどちらが優勢になるかを、指間の距離・角度を変数として検証する。非骨格身体像の変形可塑性についての検証について、スライムハンド錯覚における、変形した皮膚像の凍結効果について心理実験で検証を行う。さらに、スライムハンド錯覚の誘導を行うVR環境の設計を行う。この際、先端固定型の錯覚効果の検証をすすめる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)