Civil Engineering of Music, as a Practice and Critics between Music and Engineering
Project/Area Number |
23K12059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
松浦 知也 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (20889894)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 音楽土木工学 / DIY半導体 / 音楽プログラミング言語 / リサーチ・スルー・デザイン / サウンド・アート / メディア芸術 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、音楽のためのプログラミング言語mimiumの発展的開発と、DIY的手法によるシリ コンチップ製造に着想を得た音響彫刻作品制作という2つの実践を並列させることで、音楽家が 自らを支える技術環境の形成に主体的に関わるための学問的枠組み:音楽土木工学を確立させることを目指す。 本研究では音楽実践者自身が、基盤的な技術の開発を自ら実践し、そこで得られた技術者としての一人称的視点を技術環境の批評へとまたフィードバックするというアプローチを取ることで、実践ベースの音楽テクノロジー研究と、分析ベースのインフラ研究、デザイン研究といった異なる学術領域の接点を作り出すことが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度となる本年度は、音楽のためのプログラミング言語mimiumの発展的開発、およびDIY的手法でのトランジスタの制作という本研究2つの大きなテーマについて、どちらも環境整備と基礎的な調査を中心に実施した。 プログラミング言語については、ラムダ計算ベースの音楽プログラミング言語の内部構造に、多段階計算を導入するための、より厳密な形式化に取り組んだ。こちらは次年度の学会発表を目指している。 トランジスタについては、既に存在するDIY的手法の(特に1990~2000年代のインターネット上における)既存の取り組みを資料整理した。その上で、比較的安価かつ個人でも可能な範囲で製造できる可能性の高い、酸化亜鉛ベースのトランジスタ制作を試みることにした。現時点では、紫外線を照射することで抵抗値が変動する、半導体としての性質を確認することができている。Maker Faire Tokyo2023(10/14、15)で取り組みを紹介するとともに、国内でのDIY半導体製造のコミュニティ構築の可能性も探った。 また、本研究を理論的に基盤付ける「音楽土木工学」を支える理論的基盤について、美学校における講義(2024/2/25)の形で博士論文の研究背景として提示した内容を再度整理をした。この内容をまとめて研究期間内に単著の形での発表を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本務との兼ね合い(特に、新規内容での授業の立ち上げ)で研究のための時間が十分に確保できなかった。 当初計画では、1年目にトランジスタの原理的動作の確認を目指していたが、そこまで辿り着けていない。 制作のための機器環境としてDIY的な方法をとるにしても、動作確認のための測定機器や手法の面では課題が残る。 プログラミング言語の発展的開発に関しては、理論面での発展はあったものの、対外的な発表を行えていないことに加え、実用のためのmimiumのコンパイラのプログラム実装を更新する作業までは十分に着手できていない。 ただ、授業準備の中でDIY半導体やプログラミングの芸術における位置付けの理論的整理も行えたため、全体の進捗としては軽微なものと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、プログラミング言語に関しては理論系の国際学会での発表を目指している。 また、DIY的手法でのトランジスタ制作に関しては、いくつかの特徴の異なる制作方針(材料は特殊だが機材は単純、またはその逆など)がありうることが資料調査でわかってきたため、個人での研究だけでなく(特に日本国内での)コミュニティの形成の意義が大きいことが予想される。こちらについても次年度に可能性を探りたい。 加えて、音楽土木工学の理論的基盤の整理のために、メディア研究・インフラ研究とフェミニズム・アクティビズム・障害学を横断して議論できる枠組みが必要であることがわかってきたため、このテーマで重要な文献であるJonathan Sterne「Diminished Faculties - a political phenomenology of impairment」の日本語での紹介および評を雑誌投稿の形で目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)