Project/Area Number |
23K12117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岩本 浩樹 茨城大学, 人文社会科学部, 講師 (20961816)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | イギリス・ロマン主義 / 姉妹芸術 / エクフラシス / B. R. ヘイドン / ジョシュア・レノルズ / ウィリアム・ワーズワス / ジョン・キーツ / ロイヤル・アカデミー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、イギリス・ロマン主義の時代において、文学と美術という異領域の芸術同士がいかなる互恵的な発展を見せたかを実証的に論じるものである。近年のロマン主義研究の潮流のひとつは、個々の作家がおのおのの信念にしたがって孤高の制作活動をしていたとする「神話」をおよそ解体し、むしろ、芸術理念を共有する同志がジャンルをも横断するかたちで互いの創作を刺激し合っていた可能性に着目する点にある。この文脈のなかで、本研究は、最終的に観念的な抽象論に落とし込むのではなく、新聞や定期刊行物を含む幾多もの一次資料を駆使した実証的なアプローチから、当時の文芸サークルの活動実態に具体的に迫る特徴と意義がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
イギリス・ロマン主義時代における文学と美術の互恵性の特徴を検証すべく、ときの文芸サークルの活動実態と意義を歴史的に考察している。ここまでは4件の口頭発表をおこない、うち1件は海外での国際学会におけるシンポジウムでの発表であった。また、論文としては、イギリスの出版社から、2本が査読付きで令和6年度中に公刊される予定である。いずれの研究成果も、従来のように文学テキストやその周辺の出版物にばかり目を向けるものではない。むしろ、絵画や彫刻、そしてときには音楽といった、さまざまな視聴覚メディアと文学との接点という切り口から、これまで本格的には試みられていない方法論を導入して、ロマン主義運動の実態に多角的に迫ろうとする意義がある。 海外での口頭発表に関して具体的に述べれば、ポーランドでのシンポジウムにおいて、ロマン主義時代の画家B・R・ヘイドンがときの文芸サークルの発展において果たした影響を論じた。より細かい話をすれば、彼が目指していたのは、18世紀におけるジョンソン博士とジョシュア・レノルズを中心とした華やかな文芸サークルの〈復興〉であった可能性を指摘した。すなわち、いわゆる古典主義とロマン主義とのあいだに断絶をみるのではなく、むしろ思想的に連続しているものとみて、ヘイドンがロマン主義の時代における〈レノルズ〉として、多くの文人の賛辞を得ようと躍起になっていた様子を実証的に論じた。これは日本国内はもとより、海外の先行研究にもなかった視点である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように、ここまで4件の口頭発表をおこない、また、2本の査読付き英語論文の刊行を待っているという状況である。これらに加え、今後は(招待を含む)口頭発表を3件予定しており、論文集への寄稿も2本計画されている。総じて、おおむね順調とみてよろしいかと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、予定されている口頭発表と寄稿の数々に対して抜かりない準備を計画的におこなう。そのなかで、さらに余裕が出てきた場合には、海外の学術誌への寄稿を検討しており、すでに論の大枠は固まっている状況である。
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