Project/Area Number |
23K12316
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03070:Museology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
梅木 佳代 北海道大学, 文学研究院, 特任助教 (70888750)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | オオカミ / 動物園 / 飼育史 / 人と動物の関係史 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、日本国内の動物園でこれまでに飼育されてきた海外産オオカミの記録と関連情報を飼育史として整理し、その動向と特徴を明らかにすることにある。 日本の動物園で飼育されてきたオオカミの記録が整理されたことはなく、従来どの産地・種類のオオカミが、どの動物園で、いつから、何頭飼育され、そのうち標本資料化された個体はどの程度存在するのかといった全体像を明らかにする必要がある。また、在来種であるエゾオオカミ・ニホンオオカミが絶滅した後の日本国内で飼育されてきた海外産のオオカミに関連する動向を把握することで、近代以降の日本人とオオカミの関係史を解明するための一助とすることができると考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本国内の動物園でこれまでに飼育されてきた海外産オオカミの記録と関連情報を整理し、飼育史の主要な動向と特徴を明らかにすることを目的とする。2023年度は、当初の予定どおり前半期に国立国会図書館が所蔵する文献・新聞資料調査を実施し、全体の基礎となる記録を収集した。その結果を踏まえて、後半期には、東京都、栃木県、群馬県、愛知県、大阪府、徳島県の動物園・図書館施設を実際に訪問し、研究打ち合わせや文献調査を実施した。また、2023年9月に沖縄県で開催された日本哺乳類学会大会に参加し、県内の資料調査を実施する機会を得ることができた。 本研究では、オオカミの飼育記録を持つ動物園、および当該施設に関連・言及がある文献を主要な調査対象とする。2023年度は、対象となる動物園内の資料室・図書室等で公開されている年報や広報誌、さらに当該園館が所在する都道府県立・市町村立図書館に所蔵がある文献や地方紙の記事からオオカミの記録を抽出した。過去の広報誌等のデータ化・オンライン公開を進めている動物園が複数存在していたため、当初の想定以上に広範囲の調査を完了することができた。 2023年度の主要な研究成果として、日本のオオカミ飼育史の最初期にあたる明治期の在来オオカミの飼育事例について検討し、国内学会におけるポスター発表の実施および研究ノートの投稿をおこなった。また、個人ホームページを開設し、その中で本研究の調査成果の一部を公開した。さらに、前年度(2022年度)中に北海道内の公立動物園のオオカミ飼育史についての論文を執筆し、その内容をもとにした2023年5月開催の一般向け・子ども向けの講演において本研究の内容に言及・紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は、オオカミの飼育記録を有する日本国内の動物園施設を調査対象とするが、各園館において過去に発行された広報誌等資料のオンライン公開が想像以上に進んでおり、基礎的な情報の集約を当初の予定よりも早期に・広範囲に進めることができた。また、2022年度中に北海道内の公立動物園のオオカミ飼育史を論文化することができたため、より具体的な見通しを立てて情報収集や調査の依頼・実施に臨むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年度目は引き続き文献・地方紙調査を進めるとともに、オオカミの飼育記録を持つ動物園への問い合わせを開始する予定である。この調査は、実際にオオカミの飼育があった時期や飼育期間の長短等さまざまな条件のちがいを考慮し、対象とする園館ごとに適切な手法を検討したうえで実施する。また、この調査を通じて過去に標本化された個体の情報が把握できた場合には、その詳細や所在・寄贈先等の確認を同時に進める必要があると考えている。
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