Project/Area Number |
23K12452
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07010:Economic theory-related
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
花登 駿介 大阪経済大学, 経済学部, 講師 (20906226)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 交渉 / 代理人 / コミットメント |
Outline of Research at the Start |
交渉とは、複数人が協力することで利益を見込める場合に、その利益の配分(分け方)を決める話し合いである。ゲーム理論では様々な交渉のプロセスをモデル化し、交渉における適切な戦略、および交渉方法の適切な制度設計(ルール作り)について分析を行う。 本研究では特に、代理人交渉に焦点を当てる。代理人交渉とは、協力関係を結ぼうとする交渉当事者が代理人を立て、交渉を行う方法である。本研究計画では主に、協力関係を結ぶことで得られる利益の大きさが不確実な状況や、仲裁制度を用いることのできる状況での代理人交渉に着目する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は代理人交渉のプロセスをゲーム理論によってモデル化し、交渉者たちがどのような交渉結果に行き着くかを分析することである。これにより、代理人交渉における戦略や交渉方法の適切なルールについての新たな指針を与えることが目的である。 代理人交渉とは、協力関係を結ぼうとする交渉当事者が、当人の代わりに専門知識に長けた代理人(または代表者)を立て、利益配分を交渉する方法である。代理人は当事者の代わりに交渉を行うため、交渉相手へ大幅に譲歩すると依頼元の交渉当事者の期待を裏切ることになる。よって、容易に譲歩できないという特徴がある。 本年度の研究では、2人の代理人が交渉を行う状況をモデル化し、分析を行った。交渉の流れとして、最初に代理人同士が互いに要求を行う。互いの要求が両立可能ならば、要求通りの利益を得る。一方、互いの要求が両立不可能な場合、少なくとも一方の代理人が譲歩する必要がある。しかしながら、代理人は容易に譲歩できないため、譲歩する場合にはコストがかかる。互いに譲歩できない場合は、第三者によって仲裁が行われる。 上記のモデルを非協力ゲーム理論の解である部分ゲーム完全均衡点で分析した。従来の研究では、譲歩のコストが大きい代理人はコミットメントの効果によって交渉を有利に進めることができると示唆されてきた。一方で本研究のように仲裁制度がある場合には、譲歩コストが大きい代理人が不利になる可能性があることを示した。このように、仲裁制度の有無によって交渉結果が変化することを示したことが現時点での貢献である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りにモデルの構築が行えており、そのモデルにおける均衡点も求めることができているため。今後、研究に関してさらに詳細な分析を行っていく必要はあるが、本研究の内容をワーキングペーパーとしてまとめ始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現段階ではまだ代理人が仲裁に進んだ場合の均衡利得について、明示的な値を求めることができていない。そこで今後の推進方策として、その均衡利得の値を明示的に求めることを進めていく。 明示的に求められていない理由として、モデルを大きく一般化していることがあげられる。そこで一つの対応策として、より単純化したケースを分析することで明示的な値を求める方法が考えられる。 今後は本研究を学会・セミナーで報告し、ワーキングペーパーとしてまとめる。
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