Project/Area Number |
23K12847
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石橋 一昴 岡山大学, 教育学域, 講師 (70881267)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 確率的モデル化 / 条件付き確率 / ICT / 数学学習 / 文章題 / 数学的モデル化 / 真正性 / 社会批判的オープンエンド / 教材の開発原理 / コンピュテーショナル・モデリング / デザイン研究 |
Outline of Research at the Start |
「Society5.0時代」や「予測困難な時代」等と称される今日の社会では,全ての市民に対して,不確実な状況下でも適切な判断を下すための知識や考え方を身につけることが求められている。しかしながら,現在の学校数学の確率が扱うコイントスやサイコロ投げ等の事象の確率だけでは,日常生活や社会の事象を確率を応用して考察する活動 (確率的モデル化) の促進には不十分であると考える。そこで本研究では,確率的モデル化を促進する教材の開発原理を理論的に構築し,その有効性を実証的に明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,[1] 確率的モデル化を促進する教材の開発原理を構築すること,[2] 開発した教材を中学校及び高等学校で実践し,その結果を分析することにより,原理の有効性を明らかにすることを目的としている。 本年度は,目的 [1] に取り組んだ。まずは,確率的モデル化過程を学校数学で実現するために,数学的モデル化過程を文章題解決の連続体とみなす立場(以下,連続体仮説)に立つこととした。連続体である数学的モデル化過程と文章題解決の間を,真正性の度合いによって分割し,その中間に位置すると考えられる教材の開発と授業実践を行うことで,連続体仮説の妥当性を検証した【日本数学教育学会で口頭発表】。次に,本研究ではデータ分析のためのソフトウェアであるCODAPを用いた授業実践を行うため,CODAPを含むICTと共にある数学の学習活動の特徴について,ICTが通常になっている教室での数学の学習活動と現代的数学観との両面によって捉えた【全国数学教育学会誌『数学教育学研究』へ論文掲載】。そして,本研究では現実的な問題を扱った授業実践を行うため,現実的な問題(特に,社会批判的オープンエンドな問題)に対する学習者の数学的思考の様相についての仮説を構築した【日本数学教育学会誌『数学教育学論究』へ論文掲載】。さらに,学校教育段階で,確率の現実場面での応用を指向した際に重要な概念である「条件付き確率」に焦点をあて,その導入場面の教材の開発原理を構築し,授業実践を通してその妥当性を検証したり【全国数学教育学会誌『数学教育学研究』へ論文掲載】,生徒の理解を支援するための数学的表現について提案したりした【全国数学教育学会で口頭発表】。 なお,本研究は「数学教育における確率的モデル化能力の育成に関する基礎的研究」(課題番号20K22188)の継続研究であるため,研究成果の一部は,前回の科研費の成果でもある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,コンピュータを活用した (数学) 指導や数学的モデル化に関する教育研究,行動経済学や認知科学等における確率認識に関する研究,実社会での確率の応用事例等に基づいて,教材の開発原理を理論的に構築し,その原理に基づいて開発された教材によって生じる学習者の活動に関する仮説を立てることができた。また,ICTが通常になっている教室での数学の学習活動や,現実的な問題(特に,社会批判的オープンエンドな問題)に対する学習者の数学的思考の様相の分析を通して,確率的モデル化を促進する教材に取り組む生徒の活動に関する仮説を構築したりした。さらに,具体的な教材を開発し,国立大学附属高等学校1年生を対象に授業実践を行うことができた。現在,授業の分析をしている最中である。 以上より,「おおむね順調に進展している」と考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,予備実験を行った教材を用いて,中学校及び高等学校で授業を実践する。次に,授業を通して,仮説に当てはまる活動が生じたか否かを調べ,原理の有効性を検証する。そして,仮説に当てはまる活動が生じた場合は,例えばそのような活動が他の教室や学校でも生じるように,原理を更新する。そのような活動が生じなかった場合は,なぜ生じなかったのかを分析し,原理を更新する。
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