高強度高降伏比鋼の素材強度を発揮できる引張トラス部材の現場接合構造の提案
Project/Area Number |
23K13395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 22020:Structure engineering and earthquake engineering-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森山 仁志 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (50825495)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 構造工学・地震工学 / 高力ボルト摩擦接合継手 / 高強度・高降伏比鋼 / トラス部材 / 現場接合 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,高強度高降伏比鋼で製作した引張トラス部材において,高力ボルト接合部での穿孔よる断面欠損に伴い,部材一般部が塑性変形する前に継手部で破壊しないための手法や新たな現場接合構造を提案するものである.そして,構造ディテールを工夫すれば接合法に依らず部材の塑性変形能を期待できるか,あるいは現場溶接を主体としボルト接合を使用する際は弾性設計に留めるのかなど,高強度高降伏比鋼で製作した部材・継手を限界状態設計法の方向性を示すことを研究の狙いとしている.具体には,継手部の終局耐力が部材一般部の降伏耐力より高くなる方法を実験および数値解析により探索する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,高強度高降伏比鋼で製作した引張トラス部材において,高力ボルト接合部での穿孔よる断面欠損に伴い,部材一般部が塑性変形する前に継手部で破壊しないための手法や新たな現場接合構造を提案するものである.継手部で破壊しないようにするためには,継手部の終局耐力が部材一般部の降伏耐力より大きいという強度関係を満たす必要があり,その方策を示すのが研究目的の1つである.2023年度は,SBHS500, 700で製作した千鳥有孔板を用い,配置間隔が母板の純引張破断耐力に及ぼす影響を調査した.実験に併せて,千鳥有孔板のパラメトリック解析と再現解析を行った.その結果,最大荷重の向上には,孔縁の応力集中を孔配置の工夫により緩和し,初期降伏を抑制することが重要であるとわかった.具体には,縁りあき距離が既存技術基準(例えば,鋼構造接合部設計指針)の最小値を満足すること,ピッチを極端に小さくしないこと,ゲージgについては最小ボルト間隔および最小縁りあき距離を満足した上で極力小さくすることが,応力集中係数の減少に効果があった.また,板幅方向の境界条件が部材端部に位置するボルト孔の応力集中の緩和に大きく貢献することを判明した.したがって,複数行列継手は単行継手よりも優れた終局耐力を単位幅当たりで有していると想定される.次年度の課題の一つはこれを実験・解析的に検証することである. 続いて,SBHS500, 700で製作した1行1~3列高力ボルト摩擦接合継手の要素引張実験から観測した純断面降伏荷重・最大荷重に対し,既存の純断面降伏耐力・終局耐力(純断面破断・端抜け破断・ボルトせん断)の推定精度を調査した.終局耐力については,諸外国の高強度・高降伏比鋼継手の実験結果も引用し,耐力係数も算出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
載荷実験および数値解析を実施するための環境整備に時間および予算を要し,予定していた複数行列継手の要素引張実験・解析に遅れが生じている.他方,千鳥配置した有孔板を用い,母板の純断面破断耐力を向上し得る孔配置形状については一定の方針を示すことができた. 以上より,進捗状況を「やや遅れている」と判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,複数行列継手の力学特性を把握し,塑性域拡大に最適なボルト配置間隔と配置形式を要素実験と数値解析で調査する.例えば,砲台配置は継手端部の純断面積が大きく純断面破断が生じ辛い一方,継手中心側はボルト本数が多く支圧抵抗を期待でき,高強度高降伏比鋼の継手に適すると考えられる.実験・解析ケースの選定にあたっては,2023年度に実施した千鳥有孔板の引張実験とパラメトリック解析において,最大荷重の向上に寄与した孔配置を参考とする. 続いて,超高力ボルトや太径高力ボルトなど高性能な接合要素を用いることで,目標とする強度関係「継手部の終局耐力>部材一般部の降伏耐力」を満足する方法を考える.太径高力ボルトは穿孔による断面積減少を助長するため砲台配置との組合せを前提とし,太径化による支圧面積の増大が及ぼす効果を数値解析で評価する.
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)