Project/Area Number |
23K13473
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高嶺 翔太 早稲田大学, リサーチイノベーションセンター オープンイノベーション推進部門, 次席研究員(研究院講師) (20788559)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 都市計画 / まちづくり / 主観的健康感 / 健康格差 / 場所との結びつき / 環境認知 / 社会経済属性 / 主観的健康 / 場所 |
Outline of Research at the Start |
近年世界的に健康に対する関心が高まっている。特に単純な身体的疾患の有無だけでなく、精神的、社会的な側面も含む、包括的な健康状態の重要性が認識されている。そして包括的な健康の増進に寄与する都市計画のあり方が求められている。 このことに対して本研究では「場所との結びつき」を創出することによる健康増進効果に着目する。「場所との結びつき」の創出とは、人々が生活環境に対して、愛着、憩い、外出先などといった意味づけを、より多く多様に見出すことを指す。本研究では、大規模アンケート(横断)や事例調査等を行う。そして知見を精緻化・拡充し「場所との結びつき」の創出による健康状態への影響を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、精神的、社会的な側面を含む包括的な健康状態の重要性が世界的に認識されているという潮流の基、都市計画的な寄与のあり方を検討するものである。そのために、「場所との結びつき」を創出することによる健康増進効果に着目する。「場所との結びつき」の創出とは、人々が生活環境に対して、愛着、憩い、外出先などといった意味づけを、より多く多様に見出すことを指す。2023年度は、主に以下の項目について作業を進めた。 STEP1)研究枠組みの整理…日本国内だけでなく、海外の公衆衛生や場所・健康に関する既往研究を幅広く収集した。その上で本研究について、個人・地域の社会経済属性から主観的健康感に対する影響の過程で、「場所との結びつき」が媒介しているという仮説を実証する点に主な特徴があることを整理した。 STEP2-1)統計的関連を解明する横断調査…首都圏の1400名を対象とするwebアンケート調査を行い、恵まれている地域に住む人ほど「場所との結びつき」が強く、主観的健康感が良いこと、男女差があることを解明した。 STEP2-2)因果を解明する縦断調査…首都圏郊外にある2つの住宅市街地を対象とし、住民の市民活動を継続的に観察・記録した。今後は「場所との結びつき」が個々人の主観的健康感に寄与していることを、アンケート、ヒアリング等により調査する予定である。 STEP2-3)「場所との結びつき」に関する先進施策の検証…いくつかの地域とその地域の政策を検証した。A市では、重要伝統的建造物群保存地区制度と、そこに住まう地元密着型事業者のネットワークが小規模な起業を通じて、衰退の危ぶまれている地方都市の「場所との結びつき」を促していることを確認した。B市では、公共施設整備に伴う市民参加型の芸術活動と、家賃軽減等若者入居支援策が、社会的弱者の多く住む地域における「場所との結びつき」を促していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
体的に計画通り研究を進捗させることができた。 STEP1)研究枠組みの整理は、2023年度中の実施を想定していた。2023年度は予定通り実施し、本STEPはほぼ完了したと言える。 STEP2-1)統計的関連を解明する横断調査は、2023~2024年度の実施を想定していた。2023年度に比較的規模の大きいwebアンケートを実施したことで、大きく進捗した。 STEP2-2)因果を解明する縦断調査は、2023~2026年度の実施を想定していた。2023年は予定通り実施できた。 STEP2-3)「場所との結びつき」に関する先進施策の検証は、2023~2026年度の実施を想定していた。2023年は予定通り実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
STEP2-1)統計的関連を解明する横断調査については、2024年度に一部修正を加えたwebアンケート調査を実施する。また成果を分析し、学会等に発表する。この調査では、被験者の基本属性、社会経済状況、主観的健康感、居住地域(郵便番号単位)、さらに場所との結びつきに関連する変数として「憩える」等の場所が居住地近隣にあるか否かといった環境認知を尋ねる。また居住地域については、国勢調査等を利用して、地域住民の学歴や年収実態について把握しておく。これらの変数を踏まえ、共分散構造分析を行い、2023年度調査以上に精緻に、「場所との結びつき」の格差状況や、健康状態との関連、さらには男女差について分析・解明する。 STEP2-2)因果を解明する縦断調査については、2023年度と同様に首都圏郊外にある2つの住宅市街地を対象とし、住民の市民活動を継続的に観察・記録する。そのことで、「場所との結びつき」の変化を把握する。最終的には、「場所との結びつき」の変化と健康状態との関連を分析する。 STEP2-3)「場所との結びつき」に関する先進施策の検証については、2023年度と同様にいくつかの事例を調査する。調査したいくつかの事例は、政策主体、意思決定方法、計画単位、格差是正方法等の視点から整理・比較して、今後の施策検討に活かす。 STEP3)最終的には以上の成果を、先行調査の成果も含めて取りまとめ、「場所との結びつき」の創出を通じて健康格差を是正する都市計画の理論化と施策の検討を行う。学会投稿、雑誌への寄稿、web上での成果公表も行う。
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