Project/Area Number |
23K13627
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 28020:Nanostructural physics-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
島崎 佑也 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (50905130)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 遷移金属ダイカルコゲナイド / 2次元物質 / ファンデルワールスヘテロ構造 / 二次元物質 / 半導体 / 電子物性 / 励起子 |
Outline of Research at the Start |
遷移金属ダイカルコゲナイドのヘテロ構造においては結晶格子のモアレ干渉による超格子が実現され、ハバードモデルの人工量子シミュレータとして注目を集めている。本研究においては電子物性と励起子物理、デバイス物理と光測定の融合を通じた新しい物性探索の手法を利用して、拡張性の高い新規半導体モアレ格子系の電子物性を探索することを目的とする。特にΓ点からなる電子系のモアレ格子系の実現と物性探索を試みる。冷却原子系では光学測定が利用されていることを鑑みると、光によるプローブ手法は今後モアレ格子系における量子多体物性を明らかにするために重要なアプローチになると考えられ、本研究においてはその礎を築きたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は励起子電荷センシングにより新規モアレ超格子系の電子物性を探索することを目的としている。2次元半導体である遷移金属ダイカルコゲナイドは可視光から近赤外領域程度のバンドギャップを有し、光によるアクセスが可能である。光励起した励起子状態の共鳴シフトは系の電子密度や周囲の誘電環境に依存するため、これを用いることで試料の電子状態を光学的に測定することができる。顕微分光測定を利用することで、試料の局所的な評価が可能となることから多数の領域を一つの試料で独立に評価できる。これは一度試料を作製してしまうと測定する領域の変更できない輸送測定と比べ大きな利点であり、試料の不均一性を生じやすい2次元物質の研究において有用である。Rydberg励起子を利用することで電子状態の遠隔プローブも可能となり、これを利用することで間接ギャップである一方でΓ点にバンドを持ちモアレ系の物理を拡張するのに有用な複数層の遷移金属ダイカルコゲナイドのヘテロ構造についても評価が可能となる。このような系を構築するにはモアレヘテロ構造、センサーレイヤー、ゲート絶縁層、透明電極、コンタクト電極の機能を有する10試料以上の2次元物質を組み合わせ構成する必要があり、コンピュータによる高精度の位置決めが可能な積層システムが必要となる。 本年度は試料作製のための2次元物質積層装置の開発を設計の段階から行った。装置組み込み用顕微鏡をベースとして、ステッピングモーター駆動の各種のステージを備え、コンピュータからの位置制御により試料の積層時に高精度の位置決めが可能である。顕微鏡、ステージ、カメラ等の制御には自作のソフトウェアを利用している。CMOSカメラにより取得した画像をリアルタイムで画像処理し、コントラスト補正機能、試料膜厚の推定機能、ステージの自動スキャン機能、試料積層時のアライメントの自動補正機能なども備える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は新たに2次元物質積層装置の作製を設計の段階から行った。装置は概ね完成しており、これを用いることで目的とする多数層からなる2次元物質ヘテロ構造試料の作製が可能となる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は開発した2次元物質積層装置を利用して実際に遷移金属ダイカルコゲナイドのヘテロ構造試料を作製する。ヘテロ構造作製、微細加工条件の最適化を行いΓ点におけるモアレ系を実現し、極低温顕微分光測定系において電気制御しながら試料の物性を評価する。
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