Project/Area Number |
23K14097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
石田 大歩 麻布大学, 獣医学部, 助教 (40963476)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | D型インフルエンザウイルス / インフルエンザウイルス / ワクチン / 低温馴化 / 鶏卵馴化 |
Outline of Research at the Start |
D型インフルエンザウイルス(IDV)は、経済損失の高いウシ呼吸器病症候群(BRDC)の原因ウイルスの一つであり、その対策法として効果的なワクチンの開発が求められている。そこで本研究では、①発育鶏卵および低温環境に馴化させたIDV弱毒生ワクチン候補株の樹立とそのワクチン効果の判定および②弱毒化に寄与するアミノ酸変異の同定と弱毒化メカニズムを明らかにすることを目的としている。これにより、IDVに対する粘膜免疫を誘導し得る弱毒生ワクチン候補株が開発されることで、BRDCに対する効果的な制御手段の確立に貢献することが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
D型インフルエンザウイルス(IDV)は、経済損失の高いウシ呼吸器病症候群(BRDC)の原因ウイルスの一つであり、その対策法として効果的なワクチンの開発が求められている。IDVの不活化ワクチン効果をウシで検証した報告によると、その感染防御効果は高くなかった。したがって、不活化ワクチンよりも効果の高い弱毒生ワクチンの開発が期待される。本研究では、①発育鶏卵および低温環境に馴化させたIDV弱毒生ワクチン候補株の樹立とそのワクチン効果の判定および②その弱毒化に寄与するアミノ酸変異の同定と弱毒化メカニズムを明らかにすることを目的とする。 当該年度は、IDV弱毒生ワクチン候補株樹立のために、発育鶏卵および低温環境へのIDVの馴化を試みた。まず通常の培養温度である37℃条件下で、発育鶏卵を用いたIDVの連続継代を30代まで行うことで、発育鶏卵での増殖性が野生株より著しく高い鶏卵馴化株の樹立に成功した。次に、28℃条件下での培養を行ったが、ウイルスの増殖を確認できなかったため、30℃条件下で同様に連続継代を行い、現時点までで30代目に達した。これまでにIDVを発育鶏卵の尿膜腔内で増殖させ、鶏卵や低温環境への馴化を試みた報告はされていない。 次年度は現時点までの継代後のウイルスの温度別増殖性を調べ、高温感受性表現型を獲得しているか確認する。高温感受性表現型の獲得を確認出来た場合は、IDV鶏卵・低温馴化株のマウスにおける病原性およびそのワクチン効果の判定を行う予定である。高温感受性表現型の獲得を確認出来ない場合は30℃あるいは28℃での連続継代を続ける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画当初、通常の培養温度である37℃条件下で、発育鶏卵を用いたIDVの連続継代を30代まで行ったあと、28℃条件下で連続継代を行い、低温馴化を行う予定だったが、ウイルスの増殖を確認できなかったため、30℃条件下で同様に連続継代を行い、現時点までで30代目に達した。ひとまず現時点で高温感受性表現型獲得の確認を行う予定だが、十分な弱毒化効果が確認できない場合は再度、30℃あるいは28℃でのさらなる低温馴化を試みる必要があるため、当初の予定より少し遅れる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は現時点までの継代後のウイルスの温度別増殖性を調べ、高温感受性表現型を獲得しているか確認する。高温感受性表現型の獲得を確認出来た場合は、IDV鶏卵・低温馴化株のマウスにおける病原性およびそのワクチン効果の判定を行う予定である。具体的には、4週齢のBALB/cメスマウスにIDV鶏卵・低温馴化株を経鼻接種し、接種後3日目の各呼吸器臓器におけるウイルス力価の測定と14日間の体重測定を行い、病原性や増殖性を親株と比較する。十分な弱毒化効果が確認された場合は、野外株による攻撃試験を行うことで、感染防御効果を評価する。高温感受性表現型の獲得を確認出来ない場合は30℃あるいは28℃での連続継代を続ける予定である。
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