Project/Area Number |
23K14425
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
大竹 裕子 近畿大学, 薬学部, 講師 (40803771)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 吸入ステロイド薬 / 超微粒子化 / ナノサイズ / ビーズミル破砕 / 肺深部送達 / 超微粒子 / 吸入製剤 / 肺炎治療 |
Outline of Research at the Start |
間質性肺炎の治療には静脈内注射によるステロイド療法が用いられるが、ステロイドは副作用が強いことからその使用が制限されている。一方、肺局所を標的としたステロイド療法としては吸入製剤が知られているが、従来製剤の標的部位は気管支であり、間質性肺炎の病巣である間質まで薬物を届けるのは困難である。このような背景から、吸入により局所(間質)にステロイドを効果的に送達できれば、副作用のない安心安全な間質性療法が可能になるものと考えられる。本研究課題では、申請者が培ってきた超微粒子化技術と粉末製剤化技術を融合することで、肺深部送達を実現とする超微粒子ステロイド吸入製剤の創製を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ナノサイズまでの破砕が可能なビーズミル法を基盤とし、口腔・気道への薬物付着が低く、肺胞や間質といった肺深部へのステロイド供給を可能とする超微粒子ステロイド吸入製剤の創製に向けて、添加物の種類・添加割合・ビーズミル条件が異なる種々のナノ粒子を調製し、ナノ粒子の粒子径測定および粒子形状評価の結果に基づいて処方・調製条件の最適化を行った。吸入ステロイド薬としてはデキサメタゾン(DEX)を用いた。添加物については、砕効率を高める添加剤であるメチルセルロースおよびナノ粒子化に伴う凝集性を制御する添加物である2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを用いることで、効率的なナノ粒子化および分散安定性の維持が可能であることを見出した。さらに、破砕方法(乾式または湿式破砕法の選択、破砕強度)についても検討し、ジルコニアビーズおよび上記添加物を含む混合物を乾式破砕した後に、精製水で懸濁した試料液を湿式破砕することによりDEXの粒子径をナノサイズ(約 100nm)にすることが可能であることを見出した。今回は、吸入ステロイド薬の超微粒子化に着目した検討がほとんどであるが、このナノ粒子を粉末化することで口腔・気道絵の薬物付着を制御し、肺深部送達性を高めた吸入粉末製剤の開発を試みる。また、これらの検討により最適化した超微粒子ステロイド薬含有吸入粉末製剤を開発し、経肺投与することで、体内動態および治療効果について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は当初の研究実施計画どおり、『超微粒子ステロイド吸入製剤の調製条件の確立』および『超微粒子ステロイド吸入製剤の吸入特性評価』の2項目に着手し、吸入ステロイド薬の超微粒子化に成功している。現在、噴霧急速凍結乾燥法によって粉末化した製剤をアンダーセンカスケードインパクターを用いて、吸入特性評価を行っている途中である。粉末化における処方最適化が終了次第、in vivo体内動態評価および治療効果の検討に移行する予定である。今回、吸入ステロイド薬の超微粒子化に成功したものの、調製条件の検討に時間が掛かったため、研究の遅延が認められた。以上の点から評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は『超微粒子ステロイド吸入製剤の肺内投与時におけるin vivo体内動態評価』および『肺傷害モデルマウスを用いた超微粒子ステロイド吸入製剤の治療効果』の計2項目について主に検討していく予定である。病態モデルマウスを用いた治療効果評価において、適用した製剤の効果が低い場合は、投与量や投与回数について検討するとともに、β刺激薬との併用または合剤化ついても検討したいと考えている。
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