戦後日本における女性指導者の育成に関する歴史社会学的研究―婦人問題懇話会を中心に
Project/Area Number |
23K17138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
濱 貴子 富山県立大学, 工学部, 准教授 (10711616)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 女性指導者 / 育成 / 婦人問題懇話会 / 戦後日本 / 歴史社会学 |
Outline of Research at the Start |
女性指導者の育成は現代日本社会における重要課題である。本研究では、山川菊栄や田中寿美子を中心に結成され、高度成長期以降、政界・官界・法曹界・学界・言論界に活躍した多くの女性指導者を育成・輩出した婦人問題懇話会に注目する。会報や主要メンバーの自伝・書簡を主な資料として、場の特徴やネットワーク、参加者の関係性とその変容の分析を行うことによって、多くの力のある女性指導者が育ったメカニズムを歴史社会学的な観点から明らかにする。一連の分析を通じて、ジェンダー平等の実現が進む持続可能な社会を構築するうえで実効力のある女性指導者の育成モデルの提示を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ジェンダー平等の実現が進む持続可能な社会を構築するうえで実効力のある女性指導者の育成モデルを提示するため、山川菊栄や田中寿美子を中心に結成され、高度成長期以降、政界・官界・法曹界・学界・言論界に活躍した多くの女性指導者を育成・輩出した婦人問題懇話会(1962-2001年)の場の特徴やネットワーク、参加者の関係性とその変容を質的・量的分析両面から実証的に明らかにすることである。 今後の日本社会においては、女性指導者を継続的に一定の割合で社会のなかで育成し、特別ではない存在として根付かせていくことが重要になってきている。そのような文脈においては、女性指導者のロールモデルを社会に普及させることに貢献してきた女性指導者個人の研究に加えて、女性指導者が育った場の研究が求められていると考えられる。女性指導者が組織やネットワークのなかで育まれ、実力を養い、活動を発展させてきた知見は今後不可欠な参照事例として積み重ねられていくべきものである。 本年度は、会報(『婦人問題懇話会会報(No.1-40)』『日本婦人問題懇話会会報(No.41-55)』)の周年回顧記事や会の創設にかかわった主要メンバーの自伝、新聞・雑誌等に掲載された婦人問題懇話会に関連する記事、婦人問題懇話会メンバーが中心となって出版した書籍を資料として収集・通読し、組織形態、活動内容、活動頻度などの基本的な場の特徴を把握した。そのうえで、会報および『婦人のこえ(1953-1961年)』に掲載された記事タイトル・執筆者・組織形態・活動内容・活動頻度に関するデータからデータベースを作成した。データベースをもとに、取り組んだテーマや執筆者の推移を中心に場の時系列変化について量的に分析し、知見をまとめ学会発表ならびに論文投稿の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、課題に計画的に取り組み、会報ならびに『婦人のこえ』の記事タイトル・執筆者・組織形態・活動内容・活動頻度に関するデータ化を順調に進め、量的分析をおこなうことができた。ただし、会報の周年回顧記事や会の主要メンバーの自伝、新聞・雑誌等に掲載された婦人問題懇話会に関連する記事、婦人問題懇話会メンバーが中心となって出版した書籍を資料とした質的分析については、さらに読み込みを進めている過程にあり、次年度に引き続き分析を実施し、結果をまとめ、量的分析の結果ともあわせて考察を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の実績をふまえて、婦人問題懇話会の場の分析を引き続き継続する。また、会報の新入会員ならびに会員消息に関するデータベースを作成し、組織内のネットワークの形成と変化を明らかにするとともに、会報のイベント案内、運動・団体紹介記事についてもデータベースを作成し、組織間のネットワークの形成・変容についても解明する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)